トレンド情報

広報担当者必見!「ブームをつくる」から学ぶ文化を作るPRとは?

バレンタインデーや恵方巻きは企業PRが作り出した文化です。情報が溢れる現代にとって、PRは企業の存在を確立するために重要な役割です。今回は、「ひこにゃん」、「うどん県」など数々の地方PRを成功に導いてきたブームの仕掛け人、PRプロデューサー殿村氏の著書『ブームをつくる』から文化を作るPRについて学びます。
※本記事は、2019年6月12日に公開された記事を一部再編集しております。

PRとは?広告宣伝と何が違うのか。

Marketing、広報、PR…ビジネスの現場では、自社の売上をあげるために様々なセクションが様々なアプローチを取っています。

その中で、PRはアメリカで20世紀初めに台頭した考え方です。正式には、パブリック・リレーションといい、「多くの人々に知らせて、社会的に好ましい信頼を得る」という役割があります。多種多様な人種で構成されているアメリカでは、個々の価値観が大きく異なり、信頼関係を気づくための行為が求められたことも大きく関係しているようです。

企業によっては、コーポレートブランディングとして、広告宣伝もPRも同じ部署が担当しているケースや、部署が分割されているケースなど様々な組織体制があります。

枠を買って、露出を増やす広告・宣伝とPRの手法の違いを本書では、イソップ寓話の『北風と太陽』で例えて、説明しています。

北風=広告:強い力=潤沢な予算で人を振り向かせようとするもの

太陽=PR:まわりの空気を変えることで、人々が自ら行動を起こすように促すもの

潤沢な資金のある企業は、TVCMや新聞広告の枠を購入し、自社のターゲットと接触しうる可能性の高い場所でコンテンツを露出することを行えます。
しかし、資金が潤沢ではない企業はPRを活用しますが、PRを行う上で守るべきことがあると、殿村氏は述べています。

人の心を動かすPRが守るべきこと

PRは人の心に訴えかけるものです。時に人々を非常に危険な状態に陥れる可能性があると殿村氏は述べています。歴史を遡ると、関東大震災などの非常事態の状況で、デマが流布し多くの人々が恐怖に駆られ、虐殺を行ったような事例もあります。

日本パブリックリレーションズ協会が掲げるPRの4つの理念

・事実に基づいた正しい情報を提供する
・ツーウェイ・コミュニケーションを確保する
・「人間的アプローチ」を基本とする
・「公共の利益」と一致させる

SNSを含むテクノロジーの発展で、情報の出どころが不透明なものも多くなっています。だからこそ、正しい情報を伝えることは、今後もPRにとって重要な役割になると思われます。

では、どのように正しい情報を伝えればブームを創ることが出来るのか、核心に迫っていきたいと思います。

PRで一番大事なこと

本書では、「内容は5W1H」、「言葉は短く」などのPR担当者が業務を行う上で必要な知識を提供するだけでなく、ブームを創るために重要な物語性を事例を用いて説明しています。

昨今の連続小説ドラマ「マッサン」、「あさが来た」などは、創業者の思いや商品の背景をドラマで伝え、ブームを創りました。ウイスキーや主人公の人生に興味を持ち、商品を手に取ったり、ゆかりの地を訪れた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

広告のきれいな言葉よりも、想いが紡がれた物語が人の心を動かしやすいのは、皆さんも御存知のとおりだと思います。

そんな物語を伝える上で、非常に重要なファクターとなるように私が感じたのは、「細部まで拘ること」に尽きます。具体的には下記のような点です。

1.言葉にこだわる

美容院のPRとして、「婚活カット」というプロモーションを仕掛けた事例では、ヘア、スタイルではなく、カットという決意を連想されるイメージを大事にし言葉を選んだそうです。

2.場所にもこだわる

毎年清水寺で発表される「今年の漢字」をご存知の方も多いとは思います。清水寺で発表されるようになったのは、日本文化の発信地としての京都というイメージから企画されたようです。今年の漢字と言われると、大きな漢字一文字と清水の舞台を連想される方も多いかと思います。

一つのPRでどこまで細部を拘ることが出来るのかが、ブームを創り出す鍵になるように感じました。この場では書き表せないほどの多くの示唆を富む本ですので、広報、PRに携わる方は手にとってみてはいかがでしょうか。

■参考文献
『ブームをつくる:人がみずから動く仕組み』殿村美樹(2016)集英社新書
『広報・PR概論』日本パブリックリレーションズ協会編(2012)同友館

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
デジタルリスクラボ編集部の研究員が更新。
今の時代に沿った新しいリスクの解決メディア。