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現代のリスクマネジメントに必須?VUCAとは!

リスクマネジメントを考える上で、必須の知識であるVUCAについて、今回は取り上げます。経営、人事など様々な領域でVUCAについては、語られており、一度は耳にした人も多いと思います。
※本記事は、2019年5月30日に公開された記事を一部再編集しております。

VUCAとは?

VUCAは、1990年代に軍事用語として使用され始めた言葉です。下記の4つの単語の頭文字を取った造語です。

Volatility:変動性
Uncertainty:不確実性
Complexity:複雑性
Ambiguity:曖昧性

テクノロジーの発展で、世の中の変化のスピードは、非常に早くなっています。また、グローバル化が進み、ライバル企業は国内だけに限定されず、世界中の様々な出来事が経営の外部要因となりうります。

先日、日本を代表する企業、トヨタ自動車株式会社の豊田章男社長から世間の注目を集める発言がありました。「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言です。

この裏側には、VUCA時代が到来し、先が見通せない時代が到来してきた。そのような環境下で、人材の定着が必ずしも企業にメリットを与える時代が終わりを告げようとしていると豊田社長は考えているのではないでしょうか。
企業も時代の変化に合わせ、人材、サービス、リスクマネジメントなどの経営方針を柔軟に対応しないと行けない時代がやってきたと日本の大企業の社長が認めている証拠ではないでしょうか。

VUCA時代の企業経営

平成が始まる1990年代前半は、Japan as No.1と言われ、日本企業が世界の時価総額の上位を占めていました。しかし、現在はGAFAなどのアメリカのIT企業が上位を占めています。

現在の世界トップ企業の特徴は、創業して20年にも満たない企業や、急速な成長を遂げたサービスを主力に据えて、10年足らず世界のトップ企業へ名乗りを上げている点です。更に、彼らの商圏は、アメリカ国内に留まらず、世界中に広がっています。

成長性の高い市場は、すぐに移り変わり、プレイヤーの出入りも非常に激しくなっています。また、顧客の課題を解決する方法は多岐にわたり、1つのアプローチで優位性を競う時代から、様々なアプローチから課題解決のソリューションを提供する企業がライバルとなるケースも増えています。まさに、産業の壁がなくなるインダストリーコネクテッドが進んでいる証かもしれません。

VUCA時代のリスクマネジメントで重要なこと

VUCA時代のリスクマネジメントを考える上で、非常に大事なのは、外部環境の変化スピードに対応することです。これには、2つの観点があります。

1.時代に合わせたリスクマネジメント体制の構築

10年前に構築したリスク対応マニュアルは、網羅的であると考えるのは、難しいでしょう。スマートフォンが普及したのも、2010年代前半です。PCでしか作業できなかったものが、スマートフォンで完結されてしまう。情報のスピードは、格段に変化しています。

2.リスクが顕在化した際の意思決定のスピード

SNSなどの発達で、世界は繋がっています。日本で起きたリスク事象は、瞬く間に世界に拡散され、金融市場、政治に大きな影響を与えます。リスク対策の現場では、「明日やる」は、通用しません。1分1秒の対応の差が企業の命運を大きく左右する可能性も出てきます。

リスクマネジメント体制にも関連しますが、リスクが発生した際、誰が意思決定を下すのかを明確にする、さらにその人が情報にアクセスし意思決定に十分な情報を持ち合わせている状況にいるか確認する、この2点が非常に重要になります。

今すぐできるチェック

VUCA時代のリスクに対応できるのか以下の点で確認してみてください。

・リスクマネジメントの規定を1年以内にチェックしているか
・リスク発生時の意思決定権を明確に定めているのか
・マニュアルでなく、守るべきことの原理原則を理解し、意思決定できているか

金融庁は2020年3月期の決算から、経営方針、戦略、事業のリスク情報を詳しく有価証券報告書に書き込むことを求めています。これは、毎年の有報提出に合わせて、上場企業は1年におきに市場に合わせたリスクマネジメント体制の見直しが求められることを意味しています。1年に1度、自社の市場環境や政治環境、テクノロジーの環境に合わせて自社のリスク管理体制を見直し、VUCA時代に合わせたリスクマネジメントに取り組みましょう。

【執筆】奥村高大 (おくむら たかひろ)
同志社大学卒業後、銀行に就職。その後、企業の経営課題解決を目的とするフリーランスのシェアリングサービスに従事し、2018年にエルテスに入社。事業推進Grにて、マーケティング業務を中心に、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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