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コロナ禍で急速に進む、ECとSNSの接近。デジタル時代の消費者行動とは?

2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大は。、私達の行動様式を大きく変えています。気づかぬうちに購買行動にも変化が見られます。実際に、EC(通信販売)の需要が高まりを見せていますが、SNSとの関係も見逃せません。今回は、急速に普及するECとSNSの関係に迫ります。

コロナ禍で変化する消費者行動

3月下旬から各都道府県による外出自粛、4月7日には政府による緊急事態宣言が発出されて、私達の購買行動は大きく変化しています。緊急事態宣言が解かれた今なお(2020年06月5日時点)でも、一部の商業施設は閉鎖したままであったり、商業施設は再開しているものの一部売り場は閉鎖されているケースも見られます。商品の実物を見て、購入するという従来の購買行動に制限が掛かっています。

一方で、EC構築サイトを手がける株式会社ロックウェーブの調査によると、コロナ禍でECの受注は増加傾向が見られるようです。2020年4月最終週には前年同期比で210%も受注件数が増加したとのデータもあり、受注件数の割合でみると食品が一番大きく、さらにファッションや化粧品など巣ごもりで需要が低下していたとみられる製品も増加したことが示されています。

さらに、株式会社ロックウェーブのプレスリリースでもまとめられていますが、下記の消費者行動の変容は、単にECの活用増加だけでなく、表面化していない行動変容もあると考えられます。

・増加ジャンルとしては食品が最大。(特に地方特産品ジャンルの伸びが大きい)
・日用品、インテリア・雑貨、美容・コスメの増加も目立つ
引用:【データで見る】新型コロナウイルス感染拡大がECサイトの注文件数へ与えた影響(株式会社ロックウェーブ)

今回の緊急事態宣言では食品を販売するスーパーなどは基本的に営業自粛の対象外でした。その中でなお食品の取引が増えており、とりわけ地方特産品ジャンルの大きく伸びています。このことから多くのユーザーが「テレビでの特集を見て、Webで購入する」や「Webで検索を行い、Webで購入する」という店舗を介さない購買行動を取ったのではないかと推測されます。

認知も理解もWebの情報?

ECの黎明期は、リアル店舗で見た商品をECで購入するという消費者行動が話題を呼び、「フリーライド(ただ乗り)」という批判もありました。そして、それらは小売店の売上低下の一因とされてきました。
一方で、メーカーは流通に頼らずに販売機会を獲得できるチャネルとして徐々にEC進出に舵を切ってきた背景があります。

消費者としては、かつては小売店の売り場で目にする商品がほとんど全てでしたが、今ではネットから遥かに多くの商品情報を目にすることができます。

今回のコロナ禍で、物理的に店舗に足を運べない状況でも、インテリアやコスメなどを購入する消費行動への変容が起きています。つまり私達は、デジタルで消費行動を完結できるようになってきていると言えるのではないでしょうか。
私達が肌身離さず持ち歩いている10cm四方のデジタルデバイス上で、商品の認知、理解、購入という行動が凝縮されるようになってきていると言えます。

私達は、どこから情報を得ているのか

商品・サービスの認知を獲得する場所が、リアルの場からSNSを中心とするデジタル空間に変化している可能性があります。そのような仮説のもとでは、SNSなどの認知を獲得した空間から、ECへどのように顧客を誘導するのかが重要になってきます。

そのような機能として、若者が商品比較に活用しているInstagramも「ショッピング機能」を追加したり、SNSからECへの動線設計が強化されている動きは見逃せません。新たに実装されたInstagramショッピング機能の特徴はどのようなものなのでしょうか。

Instagramショッピング機能の特徴

まず、Instagramのショッピング機能の特徴として3つ挙げられます。

・写真中心のUIであること
本来が写真をシェアする目的で開発されたアプリなので、タイムラインとよばれる投稿の一覧ページには様々なユーザーの写真が載せられています。そのなかでいかにおしゃれか、SNS用語で「映えているか」どうかが、ユーザーが投稿に「いいね」する基準となっています。

コスメ製品や洋服などは、そういった「映えている」基準に当てはまりやすいといえるため、ユーザーは広告であるという心理的障壁を感じることなく、商品に興味を持ちやすくなります。こうした写真中心のUIは、ECにおける購入までの流れの一段階目である(認知・興味関心)を持たせることに貢献してくれます。

・幅広い層にリーチしやすい
InstagramはFacebookなどにくらべて、ユーザー層の年齢が若い傾向にあるといわれてきました。しかし、実は現在のInstagramのユーザー層は30代の割合が一番大きく、次いで40代が利用していることがApp Ape Lab.の調査からわかっています。

そのため、比較的価格がリッチな商品も購買に繋がりやすいといえるかもしれません。もちろん、10代・20代のユーザーも多くいるため、あらゆる年齢層に商品をPRすることができます。

・導入が手軽
Instagramのショッピング機能を利用するには以下の手続きが必要となります。

・Instagramのアカウントを、設定からプロアカウントに変更する
・Facebookのページを用意する
・ショッピング投稿に利用したい商品の情報をFacebookカタログに追加する
・FacebookカタログとInstagramアカウントを連携する

以上の手順をおさえれば、誰でもショッピング機能を利用することができます。導入が手軽に行えるため、コストもかかりません。

SNSで商品・サービスに興味を持った顧客を購入に

コロナ禍で、大きく注目を集めるEC。ECだけでなく、外出自粛でデジタルだけで消費行動を完結するユーザーが増える中で、認知、理解を獲得するプラットフォームからのECの動線をどのように設計するのかが重要になって来るのかもしれません。その導線設計を行っておかないと、SNS広告やインフルエンサーマーケティングの効果が発揮されない可能性も大いにあります。

デジタルリスクラボ編集部


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