テクノロジーの発展は、様々なものをデジタル化させ、私たちの私生活やビジネスの利便性の向上に寄与してきました。しかし、便利な反面、新たなリスクが生まれています。デジタル化の特徴と私たちが直面する新たなリスク「デジタルリスク」について解説します。
デジタル化とは
1900年代後半、冷戦が終戦を迎え、アメリカの軍事技術が民間産業に転用されたことにきっかけに、電子機器や自動車が登場する第三次産業革命が世界を席巻しました。このような電子機器の登場は、私達の生活とデジタルが密接に関係するものとなりました。
具体的には、職場で、パソコンを使い、社内のあらゆる情報は基幹システムで連携しています。さらに、プライベートの時間では、スマートフォンが手から離せない状況になっています。
デジタルの特徴について、深掘りしてみたいと思います。
デジタルとは、情報を0と1で処理する方式です。よく対比されるアナログに比べて、複製が容易であり、非連続性という特徴を有しています。
デジタル化は、情報の共有が容易になった一方で、短時間で情報が拡散してしまうという危険性も有しています。また、情報の背景や全体像を省略して、情報が伝わる可能性も高まり、「真意が分かりづらい」や、「信頼性の担保がない」といった可能性も有しています。
デジタルリスクとは
自動車が普及して、交通事故というリスクが認知されるようになりました。同様に、デジタル化によって、新しいリスクが発生しています。
そのようなリスクを株式会社エルテスは、デジタルリスクと総称しています。
そして、8年前から企業経営の新しいリスクとして、予防、検知、対策というトータルでのソリューション提供を行っています。
・あっという間に情報が浸透、拡散する
SNSで発信された場合、同時に何万人という人数にリーチする
・盗まれたことに気づかない
書類は盗まれていないが、写真を撮られたことで、情報が拡散する
・真似されやすい
コピーするにしても、書き写す手段しかなかったが、簡単にコピーできる
・ルールや作法が決まっていない
デジタル化の変化が早く、ルール、作法作りが間に合っていない
最後の「ルールや作法が決まっていない」ということについては、山口周氏の著書「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」でも、ルール、作法作りが追いつかない世界にリスクの言及をしています。
これからもデジタルリスクは増える?
現在は、人工知能やロボットを中心とした第4次産業革命が世界の潮流となりつつある。日本政府は、society5.0を標榜し、今後もIoTやデータの活用を軸にデジタル社会を推進していくと予想されます。デジタルの反動で生じるリスクは、今後も継続的に増える可能性が高く、企業経営に与える影響も高まる可能性があります。
自動車に乗るための法律が定められ、人々は免許を取り、保険に入る、定期点検を行うというリスク対策が一般化したように、今後、デジタルを使うための法律が定められ、私たちは正しいリテラシーを持ち、定期的なリスクの確認を行うことが必要な世の中になっていくと考えています。まずは、今一度、皆様の普段の生活や職場でのデジタルリスクを考えてみてください。
参考資料
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
未来投資戦略2018(内閣官房/日本経済再生本部)
デジタルリスクラボ編集部
デジタルリスクラボは、株式会社エルテスが、デジタルリスクから「企業成長」と「個人のキャリア」を守るためのメディアとして運営。株式会社エルテスが提供するデジタルリスク対策サービスは、こちら。