特別企画

スマイリーキクチ氏が語る「インターネットの影響力」

インターネットは、私達の生活になくてはならないまでに普及しています。現代人は、リアルな世界とネットの世界、2つの世界で自分を守らないと行けない時代になったのかもしれません。今回は、ネット風評被害に遭った経験をもつタレントのスマイリーキクチ氏に「インターネットの影響力」についてご寄稿いただきました。
※本記事は、2016年9月28日に公開された記事を一部再編集しております。

変わるネットでの誹謗中傷

インターネットによる人権侵犯は年々増加傾向にあります。誹謗中傷などは交通事故と同様に、いくら自分がルールを守っていても、相手がルールを無視すれば被害に遭ってしまうので、いつ被害に遭うかわからないように思います。

誹謗中傷の手口も時代とともに変化してきました。以前は2ちゃんねるなどの掲示板に事実無根が書き込まれるといった被害でしたが、近年はTwitterやfacebookなどのSNSを悪用して、あたかも本人のようになりすまし、政治批判やヘイトスピーチ、犯罪自慢などを書いて投稿されます。

また、ネットで拾ってきた下半身などの裸の画像を本人のように見せかけて、社会的信用を失墜させる。そういった被害が増えたようです。やっている側は遊びのつもりでも、やられた側は死活問題です。

なりすまし被害が最悪のケースに発展した女性の事例

最近発生した事件ですが、9月21日、名誉毀損の疑いで静岡県在住の会社員の男が逮捕されました。

事件の経緯は昨年2月ごろから今年6月ごろまでの間、静岡県の会社員の女性の名前や顔写真を無断で出会い系サイトの掲示板に貼り付け「私はあなたの奴隷になります」などと書き込み、その会社員の女性のように“なりすまし”て投稿していました。

なぜ、なりすましの被害が発覚したのか・・・
この出会い系サイトを閲覧した市役所に勤務する別の男が、女性に興味を持ち、職場のパソコンを使い、女性の名前をネット検索して、住所などの個人情報を不正に入手しました。

なりすましに妄信した、その男は個人情報では飽き足らず、女性の自宅近辺で待ちぶせをして、実際に無理やり女性を自分の車に連れ込もうとしたんです。

女性は名誉毀損とわいせつ略取未遂事件の2つの被害に遭いました。が、実際に、それだけでは済まないでしょう。

想像してみてください。自分の知らぬ間に第三者がインターネットで別の人格を捏造して、出会い系サイトなどに流布して襲われた。

まだ、どこかのサイトに書き込みが残っていたら…

他にもデマを信じている者がいたら…

実際に被害に遭われた方の心的外傷は計り知れません。
市役所もたった一人の過ちで、多大なる信用を失いました。これはあくまでも僕の憶測ですが、逮捕された男の上司も何かしらの責任を問われたのではないでしょうか。

なりすましを信じた者から、攻撃されて被害に遭った場合、いくら本人が「そのSNSは自分じゃない」と否定しても、残念ですが、攻撃する人には通じない。それが現状です。

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インターネットの影響力を、今一度認識を

いくら本人が情報リテラシーやモラルに気をつけていても、会社の部下がSNSでの不適切投稿など、何か問題を起こせば管理責任が発生するかもしれません。
自分たちの想定を遥かに超えるようなバカげたことをする社会人もいます。こればっかりは本当に予測できないんです。

企業を守るためにも今一度、SNSの利用法や情報モラルの取り組みをされた方が賢明だと思います。

飲食店を探すのも、買い物するのも、インターネット検索で簡単に済みます。インターネットは生活をする上で、今や欠かせないツールです。

その反面、ネットの情報で会社が潰れる危険性も含んでいます。インターネットが持つパワー、その影響力は侮れません。決してバーチャルではなく、小さなデマも真実のように化けて拡散します。その情報は安易に回収できません。インターネットは人生をも左右するツールだと心がけて使うことが大切だと思います。

スマイリーキクチ氏のTwitterはこちらをご覧ください。
https://twitter.com/smiley_kikuchi

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