2018年も残すところわずかになってきました。
来年年号が変わるということもあり、「平成最後の〇〇」という言葉を使いながら、思い出をSNSなどで発信された方も多かったのではないでしょうか?
皆さまは、どんな「平成最後の〇〇」をお過ごしになられましたでしょうか?
今回は、平成最後の炎上総集編で、2018年の炎上トレンドを振り返ってみたいと思います。
※本記事は、2018年12月25日に公開された記事を一部再編集しております。
2018年の炎上トレンド
今年、世間を賑わせた炎上トレンドを紹介し、ズバリ来年の炎上トレンドの傾向を予測していきたいと思います。まずは、2018年世間を賑わせたトレンドを2つご紹介致します。
1.ハラスメント
年末の風物詩、「新語・流行語大賞」でも30のノミネートうち、4つもノミネートされたハラスメントの問題。日本大学アメフト部の問題など多くのハラスメント事象が発生した一年でした。
また、テレビ東京の10月~12月の「ドラマBiz」枠で放送されている「ハラスメントゲーム」では、様々なハラスメントが毎回登場し、ハラスメントの種類の多さに驚いている視聴者の方も多いのではないでしょうか。
平成最初に、新語・流行語大賞の新語部門金賞を受賞したことで「セクシャルハラスメント」という概念が広まりましたが、今年、様々な種類のハラスメント問題が顕在化した背景の一つにSNSの存在が考えられます。
今までは社内通報していた事象でも、SNSを活用し、世論を見方にすることで、問題解決を図る方法が一つの手段として、確立され始めたように感じています。
また、SNSによって擁護する人々のネットワークが拡大しました。東京新聞記者の望月氏も、「アメリカから端を発した#Me Too運動が、アマチュアスポーツ界での、指導者や幹部から受けたセクハラやパワハラの告発が相次ぎ、連日のニュースになったことに無縁ではないだろう」と分析しています。(1)
つまり、発信の場所、人とのつながりの場所としての力を大きく持ったSNSが、ハラスメントの問題を顕在化しやすくしたと言えます。
2.過去の投稿がさらなる炎上の火種に
2018年のトレンドとして、過去に投稿した/されたものが時を経て、炎上するという傾向が見られました。批判の火種となるような情報の深堀調査は、週刊誌やメディアだけでなく、一般のユーザーでも簡単に出来るようになったことが大きな原因と分析しています。
韓国の人気アイドルグループの場合、アイドルが自らの衣服が誰に見られていて、どのような影響を与えうるかを想定できず、炎上してしまったという事例がありました。また、その問題に端を発して、過去のSNS投稿を遡り、類似の衣服を身に着けていた写真等が発見され、更に大きな話題に発展してしまいました。
たまたまの行為かもしれない事象も、過去に同様の行為を行っていたことがSNS上で発覚してしまうと世論からの見え方は、大きな変化を生んでしまいます。
2018年の炎上トレンド総括
2018年のトレンドは、ハラスメントなど、今まで世の中に顕在化されることのなかった事件が、SNSを通して気軽に発信できるようになったこと。また、過去に投稿された内容が時を経て炎上の火種になったり、炎上を増幅させる燃料になったりしてしまったことと言えるでしょう。
皆さまが想像されている以上にSNSでの拡散は早く、多くの人が見ています。世の中は多様化しており、考え方が異なることは当たり前のことですが、そういった社会の中で、誤解を招く情報により企業や個人が炎上を起こさないようにするためには細心の注意が必要です。
そもそも、誤った情報を発信しないという意識付けの他にも、誤解を招くような表現はないかを早期に発見できるチェック体制や、誤解を招いてしまっていた場合の適切な対応方法の検討を行うことが、今後より一層求められています。
2019年の炎上トレンド予測
ネット炎上には、傾向があります。世の中が敏感に反応してしまうキーワードを知った上で、炎上に巻き込まれないように発信することが非常に重要です。
2019年は、テクノロジーの進化によってますます関心の高まる「働き方改革」に伴う炎上トレンドが予測されます。
働き方改革を支援する様々なテクノロジーやサービスは日々進化し、人が行っていた作業がAIに置き換わるなど、私達の働き方は多様化しつつあります。一方で、情報漏えいや超過勤務などのリスクがより注目されることになるでしょう。
社会のトレンドを把握して、炎上に巻き込まれないようにしましょう。
参考文献
(1)望月衣塑子(2018)『「#Me too」を日本に定着させるために必要なこと』 文藝春秋オピニオン2019年の論点100 株式会社文藝春秋 133頁
【執筆】奥村高大 (おくむら たかひろ)
同志社大学卒業後、銀行に就職。その後、企業の経営課題解決を目的とするフリーランスのシェアリングサービスに従事し、2018年にエルテスに入社。事業推進Grにて、マーケティング業務だけでなく、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。
デジタルリスクラボ編集部
デジタルリスクラボは、株式会社エルテスが、デジタルリスクから「企業成長」と「個人のキャリア」を守るためのメディアとして運営。株式会社エルテスが提供するデジタルリスク対策サービスは、こちら。