リスクレポート

企業担当者が押さえるべき、SNS炎上対策の実践的ノウハウ

約6割の企業がSNSを「活用している」と2016年に実施された経済産業省の調査書で報告されています。実際に、SNSを使いこなす若い世代では、SNSで購買のために情報収集することが当たり前になっています。
一方で、大手マスメディアさえも公式SNSを活用し、デジタル上での露出の強化を実施しており、情報発信だけでなくユーザーとのコミュニケーションの場として、活用しているケースも増えています。
今回は、企業活動に必要不可欠なSNSの自社のアカウントを炎上させないために、ソーシャルメディア運用担当者ができることと、もし炎上してしまったらどう対処するべきかを解説していきます。

SNS炎上による企業への影響やリスク

SNS炎上と言われると、2019年冬に頻発した飲食店のアルバイトの不適切動画「バイトテロ」を想像される方も多いのではないでしょうか。

SNS炎上の原因によっても異なりますが、売上低下、ブランド毀損、信用低下だけでなく、株価の低下、人材流出、労務コスト増加、業務停止、倒産まで追い込まれるなど、SNS炎上は多方面へ影響が生じる可能性があります。

企業活動に致命的なダメージを与える恐れもあり、企業として看過できるものではありません。

公式SNSアカウントで見られる炎上事例

誤爆による炎上

事象:
プライベートアカウントへの投稿内容を誤って、公式アカウントに投稿し、炎上

解説

フォロワーが多いほど、誤投稿の内容は即座に拡散されてしまう可能性があり、人気アカウントほどリスクは増大するというジレンマを抱えなければなりません。

また、公式アカウントの炎上は、投稿内容に対する批判的な炎上が起きる場合と誤投稿が発生した原因であるずさんな管理体制に対する批判の炎上が起きる場合の2種類がよく見られるケースです。

時に、誤投稿をきっかけにアカウント運用を外注していることが公になるケースも見られました。このようなケースでは、炎上後の対応(謝罪投稿)が火に油を注いでしまったとも考察できます。

倫理的な批判からの炎上

事象:
自然災害や大きな事件など、外部環境の考慮がされておらず、炎上

解説

一見すると何の批判も浴びる要素が含まれていないように見える投稿が批判を受けるケースがあります。

某企業アカウントが何気ない文章で投稿したが、投稿日が過去の大きな事件の発生日であり、それを揶揄していると炎上した事例があります。

最近では、自然災害の発生も多く、結果的に自然災害で被害に遭われた方を配慮出来ていないという批判が発生する可能性もあります。

ターゲットを見誤り、炎上

事象:
ターゲットが不快に思うプロモーションを公式SNSで実施し、批判が集まり炎上

解説

バズることを狙ったプロモーションは時に極端な表現をするケースがあります。バズると炎上は紙一重ですが、ターゲット層が不快に思うような表現は、拡散も早く大炎上に繋がります。

某企業ではターゲット層を面白おかしく扱ったプロモーションを実施し、炎上。
その際、プロモーションでの表現を受けて、「女性をバカにしている」「今後は一切購入しない」などの批判が殺到し、謝罪文を掲載したケースがあります。

企業の公式SNSアカウント運営で注意すべきこと

早期発見出来る体制を作る

SNS炎上の状況は刻一刻と変化します。
早期に発見を行い、適切な対応を検討する時間を確保することが何よりも重要となります。

早期に発見するためのモニタリングを実施する際に、ポイントは2つあります。

1つ目は、どこをモニタリングするかです。
オープンかつ匿名性の高いメディアのモニタリングは、拡散性が高く、リスクの火種を発見するには、最適です。

一方で、投稿数も多いため、抽出するキーワードの選定が重要になります。
2つ目は、どのメディアのどのキーワードで抽出を掛けるかが早期発見出来る体制を作るために重要になります。

炎上の影響度を評価する

炎上が発生した際に、状況によっては、静観することが有効なケースもあります。

次にどのような行動を取るかの判断軸になるのは、炎上の影響度(リスク度)です。
基本的には、2軸で考えることを推奨しており、社会的な影響度と拡散量で判定します。

社会的な影響度は、どんなメディアが取り上げているのか、どんな層が炎上に関わっているのかという定性的な面です。これは、企業のターゲット層などの背景も考慮が必要で、同じメディア、層が炎上に関わっていても、全ての企業で必ずしも影響度が高いと言い切ることは出来ません。

一方で、拡散量は、定量的に時間の考慮も含めて、投稿数がどのように変化しているかを定量的に評価します。

エスカレーションフローを明確にする

SNS炎上は、拡散スピードが早く、一晩で状況が一変していることも多々あります。
そのようなケースで、エスカレーションフローを明確にしておかないと機動的な対応が行えず、後手後手に対応が回ってしまう可能性があります。

また、場合によっては多くの部署が関わることで、リーダーシップの欠如、現場の混乱が発生する可能性も珍しくありません。「誰がやるのか」「誰が意思決定するのか」は、決めておかなければ、早期発見も影響度の評価も無駄になってしまう可能性があります。

常時エスカレーションフローを明確にしておきながらも、炎上を検知した段階で、その緊急時に対応できるメンバー内でのエスカレーションフローを確認することも、初動対応が機能するために重要なポイントと言えます。

SNS炎上対策のまとめ

SNS炎上の事例や初動対応の方法、炎上を回避するための注意事項を見てきました。
SNSを使うことは、企業にとって当たり前となっている中では、炎上は対岸の火事ではありません。

1時間後、あなたの会社に降り掛かってくる事かもしれません。
2019年の夏に、メディアでも取り上げられたように、とある企業の社員の家族のSNSの発信から社会問題にまで炎上したケースもあります。

このような現状を考えても、炎上に対する対策は小手先ではなく、会社全体で対策を検討すべきことです。

デジタルリスクラボでは、月次の炎上レポートや毎月のセミナーを通じて炎上対策だけでなく、最新の炎上トレンドの情報をお伝えしておりますので、ぜひご確認ください。

【執筆】奥村高大 (おくむら たかひろ)
同志社大学卒業後、銀行に就職。その後、企業の経営課題解決を目的とするフリーランスのシェアリングサービスに従事し、2018年にエルテスに入社。事業推進Grにて、マーケティング業務だけでなく、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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