リスクレポート

【アンケート調査】デジタル化は、本当に業務を楽にしてくれたのか?

株式会社矢野経済研究所によると、2019年の日本におけるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場は、537億円の規模にまで成長すると予測されます。今後もデジタル化は、促進されると予想されますが、そのようなデジタル化が私達の職場環境にどのような変化を与えているのでしょうか。

必ずしも業務が楽になるわけではない?

働き手の減少という社会課題もあり、多くの企業でデジタルを活用した生産性の向上が取り組まれています。
名刺管理、MA、経費精算、労務管理などのクラウドサービスなどが代表例として挙げられますが、デジタル化によって、現場にどのような影響を与えているのか、アンケートを実施しました。

※従業員100名以上の企業に勤務している(もしくは直近3年以内に勤務していた経験がある)方へアンケートを実施

デジタル化は業務を楽にしてくれたのか?

【アンケート】
あなたが勤務している(していた)会社では、デジタル化が進んで業務が楽になった経験はありますか?

【回答数:104】

大変楽になった 16人
言われてみれば楽になった 41人
あまり変わらない 40人
業務が増えた 7人

 

4割以上が効果の実感が薄い、あるいはないという現実

半数以上が、業務が楽になっていると回答していますが、半数近くが業務の改善に繋がっていないと感じていることも確かです。

また、デジタル化の目線を確認するために、別の設問で、ここで想定しているデジタル化の施策もアンケートを実施しています。

一部回答例

・Web会議システムの導入
・チャットツールの導入
・タブレットの導入
・人事労務、精算のクラウドサービスの導入(社内申請書類の電子化)
・ペーパーレスの実施(デジタル化の結果)
・定型業務の自動化(発注作業等)
・データの共有

この結果からも多くの働き手にとって、デジタル化=RPAという発想であることが読み取れます。

「業務が増えた」と回答している方々も、デジタル化でチャットツールの導入やテレビ会議サービス、給与計算サービス、勤怠管理サービスなどという意見でした。デジタル化が生産性の向上を目的に実施されるものの、かえって業務が増えたという意見も出ています。

なぜ、業務の改善に繋がっていないのか

大きくは下記の3つに区別されるのではないでしょうか。
(1)デジタル化に伴う新たな作業の発生や、運用ルール・マニュアル等の作成/修正
(2)システム連携のためのデータ整理
(3)システムの不十分な連携による作業の二重管理

(1)デジタルツールの導入後には、運用ルールの策定やマニュアルの作成もしくは修正等が必要です。生産性をあげるためにも、担当者が新システムの使い方をしっかり理解することが非常に重要です。

(2)情報の誤入力や表記ゆれ等によって、データとしてうまく活用できない等の問題が発生する可能性があります。継続的なデータのクレンジング作業やチェック業務が生じている可能性が考えられます。

(3)システムの連携が不十分だった場合、一部はシステム上で一部は手作業といった作業が二重で発生することがあります。手動によるチェック作業やデータの加工作業は、二度手間となり、業務が増加している可能性があります。今一度、システムの連携や業務フローを見直してみる必要があります。

業務が増加してしまう本質的な問題は?

上記のような問題は、現場がリソースを割くことで吸収して解決できる問題であり、経営者や意思決定者に伝わっていない可能性も考えられます。
根本的な問題としては、デジタルツールの導入を意思決定する人と実際にそのツールを活用する現場の人の課題感が異なっていたり業務の全体設計が不十分なまま導入~運用してしまったりすることが問題の引き金だと想定されます。

部署や階級を超えたコミュニケーションが上手くいっていないことが問題の一つとして考えられるかもしれません。だからこそ、デジタルツールを導入する際には、業務フローに関わる全ての人、システムにどのような影響を与えうるのかを確認することが必要です。

システムの設定や運用ルールを変更することで、改善することも十分可能です。
お盆の少し余裕がある時間に、すでに導入しているデジタルツールを含めた業務フローを俯瞰的に見てみる機会を持ってみるのも良いかもしれません。

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この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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