リスクレポート

【アンケート調査】飛び火に注意?他社の炎上が飛び火してしまう?

2014年末から2015年にかけて、世間を騒がせた「食品異物混入事件」。口に入れる商品なだけに、気を遣っていた方も多いのではないでしょうか。今回は、アンケートを実施して、皆さんの声を聞いてみました。
※本記事は、2015年3月9日に公開された記事を一部再編集しております。

炎上が飛び火?業界全体に広がるネガティブイメージ

私が電車に乗っていた時、女性2人が気になる会話をしていました。

『ハンバーガーなんてどこも同じよ!』
『そうよね、外でハンバーガーなんてもう食べられないわ!』

これは、おそらく異物混入があったハンバーガーチェーン店以外のハンバーガーも異物混入があるはずだから食べられないといった会話だと予想できます。
もしもこのように思っている人がたくさんいるのなら、衛生管理に常に気を払い、これまで健康被害に及ぶような異物混入事件など起こしたことのないハンバーガーチェーン店は、他の会社が起こした不祥事なのに、自分の企業の評判と売り上げが下がるなんてたまったものではありません。広報担当者は、同業他社の不祥事に対して、自社には影響ないがないと思いこむのは、時期尚早かも知れません。少し世間の声を聞いてみましょう。

約半数が同業他社にも不安を感じる結果に。

【質問】
某ハンバーガーチェーン店で異物混入騒ぎが。他のハンバーガーチェーン店なら大丈夫?

【回答数】
・同じ業界なので、異物混入が不安である:51
・異物混入騒ぎがないチェーン店であれば気にしない:49

まず、今回のアンケートで分かったことは回答者の2人に1人が同業チェーン店に不信感を持っていたということです。やはり、会社は違っていても、同業他社で問題が起きるとネガティブな印象を受けてしまうのは仕方ないのでしょうか。

不信感を持つ理由

・ひとつの会社で発覚したということはまだ他にもたくさんあると考えるのが妥当だと思う。会社は違ってもマニュアルで学生バイトなどが働いているわけだから、無責任な行動や非常識な行動がまったくないとはいえないと思う。

・チェーン店はどこも似たり寄ったりだと思います。すっかり食べられなくなってしまいました。今後は材料にこだわっているお店を選びたいです。

・外食関連はどれも全て不安。安全管理など食材選択の段階からすでに疑わしいと思う。

・話題になったハンバーガーチェーンほどではないですが表面に出ていないだけで少しはそういう事も考えられるのかなと思います。

あの騒ぎがあってから消費者はどの会社も衛生管理は徹底されているという潜在的認識が崩れてしまい、他の会社も信用できなくなってきている可能性がございます。やはり口に入れる商品ですから、何かあってからでは取り返しのつかないケースも考えられます。特にお子さんがいるご家庭では、自分の子供に食べさせる食品に対して今まで以上に敏感になるのは当然の事なのではないでしょうか。

しかし、これらの意見のほとんどが消費者の想像の範囲の話であり、明確な事実ではありません。企業が違えば、経営方針も管理体制も違うものですが、消費者には違いがきちんと伝わっていません。確かに、きちんと情報を整理せずに画一的な判断をしている消費者にも多少の責任はあるのかもしれませんが、企業としてまだまだやれることはあるのではないでしょうか。

メディアもネットも騒ぎすぎ?

一方、異物混入騒ぎのないチェーン店なら大丈夫という意見も見ていきましょう。

大丈夫という意見

・そもそもこの騒ぎは騒ぎすぎの感があるので、どこの店でも気にしないです。

・別に大したことだとは思ってないです。ことを荒立てすぎ、そう思っているからでしょうか。

・もともと異物混入があっても多少は仕方ないと思っているのと、まるでさらし者のようにネットで拡散するような社会の風潮が好きではない。

・異物混入についてこれだけ騒がれているため、安全確認は以前よりも他の店舗においても厳重になっていると思うから。

特徴的な意見として、騒動をきっかけに衛生管理面の問題を徹底的に洗い直すので、かえって安心という意見があったことです。確かに、あの騒ぎがあった後に同じ不始末を起こせば、普段の10倍、100倍になった反応がありそうです。

だからこそ、いつもより異物混入のリスクは減っているはずだという意見もうなずけます。また、これらの意見の中でも特徴的なのは、「騒ぎすぎ!」という意見です。「食品を扱っている企業なんだから、多少の異物混入くらいあるだろ!そんなの気にしていたら、どこもいけなくなる!」という声が多数ありました。

やはり、やたらと扇情的なメディアやインターネットユーザーがことを更に荒らげていると考えている消費者もいるようです。そうだとすると、メディアやインターネットの反応に必要以上に煽られて過剰な反応をとっている消費者がいることも考えられます。

メディアとネットも使いよう?

今回のアンケートでは、企業と消費者の間に認識の齟齬が多少なりとも存在していることが発覚しました。ただ、詳しく理由まで読み取っていくと、企業の対応次第では利用客を増やせる結果とも受け取れます。

文中でも記述した通り、「メディア」や「インターネット」が大きくこの事件に関与しており、それらのオーバーすぎるリアクションや消費者を扇情するやり方などが、関係のない企業の風評被害に発展しているのです。事実関係のない勝手な想像は、風評被害の最たるものだと考えられます。

これらの流れを、「悔しいけどどうしようもない。時間が経てば、いつものようにみんな気にしなくなる。」と考えていると、それは根本的な解決とはなりません。また同じような事件があった時に、企業の存続を脅かすような事態まで発展するケースも考えられます。

今回の事件から学べること

メディアやインターネットでの「見せ方」を間違えると、風評被害の火種になり、事件とは直接関係なくても消費者にネガティブな印象を与えてしまうことです。しかし、以前問題を起こしてしまった企業が事後のメディア対応を素早く行ったことにより、「さすがグローバル企業は違うね!」という称賛の声がインターネット上で上がり、売り上げの減少どころか増収に転じたというケースもあります。

企業として、事件を起こさないことはもちろん重要です。一方で、食品に携わる企業であれば、「信頼」や「安心」のブランディングを行い、被害を最小限に行う広報戦略を描き、準備しておくことが重要かもしれません。

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