リスクレポート

ネット炎上レポート 2021年6月版

ネット炎上レポート 2021年6月版

2021年6月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

2021年6月度炎上レポートから学ぶ炎上理解セミナー

ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。

エルテスの定義するネット炎上
▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。

2021年6月のネット炎上トレンド

6月は最も多かった炎上対象は「企業・団体」でしたが、先月と比較して9ポイント低下し66%となりました。その一方で「マスメディア」が先月より12ポイント増加し18%となっています。
続いて「個人・著名人」が3ポイント増加の9%、政治関連を含む「その他」が6ポイント低下して7%となりました。

「企業・団体」の炎上区分の内訳は、「サービス」が10ポイント増加し全体の27%を占めました。次いで「メーカー」は7ポイント増加の20%、「自治体・団体」は15ポイント低下の13%、「教育機関」は4ポイント低下の2%、「IT」、「インフラ」は共に2%の結果となりました。(図1)

図1_グラフ_炎上対象区分収集データを元にエルテスが作成

「企業・団体」を対象とする炎上内容では「顧客クレーム・批判」が前回より11ポイント増加し全体の57%を占めています。次いで「不適切発言・行為、失言」は10ポイント減少し30%、「不祥事/事件ニュース」は前回0%から13%を占める結果となりました。(図2)

図2_グラフ_企業・団体が対象となった炎上内容区分収集データを元にエルテスが作成

マスメディアによる炎上が増加

6月はマスメディアによる炎上が大幅に増加しました。これらの炎上件数増加の背景には、マスメディアの発信する情報に対する、ネット上での批判が増加していることが挙げられます。

ワクチンの有無による差別を助長する表現

某テレビ局が”ワクチンハラスメント”という新たな表現を用いて、ワクチン接種を拒否する人たちが被害者だと印象付けるような報道を行ったことに関して、ネット上で批判が起きました。

ネットでの論調は、”接種は任意であり、接種したかどうかで差別するべきでない”との考え方を前提として、ワクチン接種に否定的な人々を被害者とし扱っているように見えるというものでした。
また、一部では偏った報道内容から、”事実を脚色しているのでは?”との投稿も散見されました。

版元の侮辱に繋がる風刺漫画の表現

某新聞社の風刺漫画のコーナーで、政治の皮肉を子供向けの絵本のキャラクターを使って表現しましたが、絵本の世界観やキャラクターが表すテーマに対して不適切であるとして、版元が公式に声明文を発表しました。
本件に関して、風刺を扱う関係者、メディア編集者は風刺の在り方について、今一度考え直すべきだという意見が広がりました。

情報があふれる現代において、情報発信者(メディア)は少しでもわかりやすく、シャープな表現を用いようとしています。その結果、ワクチンハラスメントという分かりやすい表現や、誰もが知っているキャラクターを風刺に活用しようとしたと思われます。

一方で、情報をわかりやすく伝えることのみにフォーカスしてしまうと、「ハラスメントは被害者と加害者の対立構造を前提としている」、「キャラクターには、ファンが居ること」という視点が抜け落ちてしまうことがあります。ネットには、多様な人々がインタラクティブに情報のやり取りをする場であり、その視点の欠落が大きな批判を浴びる可能性は、しっかりと考えなければなりません。これはメディアに限った話ではなく、企業の広報・マーケティング担当者においても同様です。

飲食店でバイトテロが発生

6月は飲食店のアルバイトによる不衛生行為が2件立て続けに発生し、物議を醸しています。
どちらもInstagramのストーリー(24時間限定公開)に動画を投稿していましたが、ネット上で拡散されてしまいました。

今更バイトテロ?と思われるかも知れませんが、10年以上前からこうした問題は継続して発生しています。SNSに関するリスクをアルバイト含む従業員に教育していくこと、リスクへの備えを行うことが、引き続き企業側に求められています。

まとめ

今回の6月版炎上レポートでは、注目トピックとして、マスメディアによる炎上とバイトテロを取り上げました。

世の中には様々な価値観や考え方の人がいます。私たちがお伝えする毎月のレポートを通じて、そうした価値観や考え方を受け取っていただき、自分たちの言動も、もしかしたら思わぬ批判を受けてしまうかもしれないという視線を養っていただければと思います。

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