リスクレポート

ネット炎上レポート 2021年1月版

2021年1月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

炎上レポートの主旨

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上事例の傾向をお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。

エルテスの定義するネット炎上
▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。

2021年1月のネット炎上トレンド

昨年12月は「個人・著名人」による炎上が目立ち、炎上件数が増加した月でした。一転、2021年1月は炎上件数が落ち着き、炎上の内訳としては、「企業・団体」が18ポイント増加し70%となり、「個人・著名人」は17ポイント減少し18%に、「マスメディア」は3ポイント減少の4%となっています。

「企業・団体」炎上区分の内訳は、「サービス」が12ポイント増加し全体の36%、次いで「メーカー」は14%、「自治体・団体」は12%の結果となりました。「インフラ」の炎上は昨年の5月から8カ月ぶりの発生となっています。(図1)

収集データを元にエルテスが作成

「企業・団体」を対象とする炎上内容で大幅な増加を確認したのが「不適切発言・行為、失言」で21ポイント増加の46%、次いで「顧客クレーム・批判」は4ポイント低下の34%、「情報漏えい/内部告発」は3ポイント増加の17%となっています。
「不適切発言・行為、失言」が増加した一方で「不祥事/事件ニュース」は17ポイント減少して、3%の数値に留まりました。 (図2)

収集データを元にエルテスが作成

コロナウイルス関連の炎上が増加

1月は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、緊急事態宣言が発出されました。
その影響もあって、全体の約18%が新型コロナウイルス関係の炎上となりました。
では、具体的にはどのよう炎上が発生しているのでしょうか?

炎上の内容は大きく分けて3つ挙げられます。
①自粛中の取組に反する不適切行動
②不適切な感染症対策の実施
③コロナ関連の不適切対応

1月の時点で上記の炎上の発生源は、影響力の強い著名人やコロナ対策に直接かかわっている政治家や自治体が約9割を占めており、現時点で企業が関わる炎上は約1割に留まっています。

しかし社会的影響力を持つ企業の不適切な言動も批判の対象になりやすい傾向がありますし、昨年はコロナに感染した従業員の会社に批判が殺到した事例もありました。
また、感染者数を少なく公表していたことが発覚して炎上した事例もあります。

まずは緊急事態宣言期間において、自粛中の適切な言動を心がけることは当然ですが、何が炎上のポイントになっているのかを把握したうえで、自社に適した形でのコロナ対策の呼びかけを実施することをお勧めします。

情報持ち出しにより従業員逮捕

デジタルリスクから見た大きなトピックとして、携帯電話大手キャリアの従業員が転職先への情報持ち出したとして逮捕された事件が記憶に新しいと思います。

情報漏えいと聞くと、不正ログインでの個人情報の流出や、一斉メールの誤送信等をイメージするかもしれませんが、人間による情報の持ち出しは非常にポピュラーな情報漏えいの経路です。

Web上に保管された機密情報が、どのように扱われているのか、漏えいしている可能性はないかまで監視することも、情報を守るために対策をすべき経路です。

エルテスの提供するInternal Risk Intelligenceでは、あらゆるログデータを横断的に分析し、情報漏えいのリスクを予兆することも可能です。他社の事例だと思わず、自社にも起こり得るという認識と、情報持ち出しリスクの対策方法があることを知っていただけばと思います。

まとめ

2020年は突如感染拡大した新型コロナウイルスの影響により、生活様式の変化に自治体や企業が対応する中での炎上が非常に目立ちました。
一向に新型コロナウイルスが終息しない中で、企業は一時的なコロナ対策を考えるのではなく、”新型コロナウイルスとどう付き合っていくか?”に焦点を置き、新型コロナウイルスと共存しながら、どう事業を継続していけるのかを考え始めています。

新年早々緊急事態宣言から始まった2021年は、リアルで活動できない分、昨年より利用者が急増しているSNSやネットを駆使したプロモーションや宣伝活動が活発になることが考えられます。
その一方で、表現の価値観や道徳観が多くの人に触れる為、炎上のリスクも高くなると予想できます。

今、世の中は前例のない状況を進んでいますが、過去の事例を知ることはあらゆる場面で炎上の可能性を想起させ、リスク回避に非常に役に立ちます。
本リスクレポートや過去のレポートを読んでいただき、今後何が原因で、どんな業界の炎上が増えていくのか?皆様も炎上のトレンドを一緒に予想してみましょう。

ネット炎上レポート 2020年下期版 エルテスでは、毎月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとして報告しております。今回は、それら2020年下...

 

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