リスクレポート

ネット炎上レポート 2020年9月版

2020年9月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

※炎上事例の定義について
1)日々の監視投稿の中から、AIによるテキスト分析や拡散量などから一定の条件を満たすものをスクリーニング(条件は過去の炎上データから、炎上に繋がりやすいメディア等を適宜チューニング)
2)専任の監視担当が情勢や世論を鑑みて、対象者にとってネガティブな内容であるかの判定

2020年9月のネット炎上トレンド

2020年9月の炎上対象を先月と比較したところ、「個人・著名人」による炎上が6ポイント減少した分、「企業・団体」が6ポイント増加しています。「マスメディア」や「その他」による炎上は8月と同じ割合を保っています。
「企業・団体」の炎上区分で8月と大きく変化があった点は、「サービス」に関連する炎上が22ポイント増加し、全体の半分以上を占めました。「サービス」に占める割合が多い分、他業界の割合は必然的に少なくなりますが、先月0%だった「インフラ」の炎上も確認され、9月は様々な業界での炎上が確認されました。(図1)

収集データを元にエルテスが作成

「企業・団体」が対象となった炎上内容を先月と比較して割合が増加したのは、「顧客クレーム・批判」による炎上で13ポイント増え、全体の約4割以上を占める結果となりました。「不適切発言・行為、失言」、「不祥事/事件ニュース」、「情報漏えい/内部告発」はそれぞれ2ポイント、7ポイント、8ポイント減少しました。また、「異物混入」による炎上については、3月以降0%でしたが半年ぶりに4%となっています。 (図2)

収集データを元にエルテスが作成

炎上対象区分、9月の傾向

9月の炎上対象区分のうち、約8割を「企業・団体」が占めており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける今年2月以前の傾向に戻りつつあります。

新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2月~3月以降については、コロナウイルスに関連する不適切な投稿や、意図的か否かに関わらず不確実な情報(デマ)を投稿したことによって「個人・著名人」による炎上が増加していました。しかしその「個人・著名人」による炎上が徐々に落ち着いたことにより、「企業・団体」による数値が相対的に増加したと考えられます。

更に、「企業・団体」による炎上の業界区分の中で「サービス」による炎上が5割以上を占めました。「サービス」による炎上は、緊急事態宣言が出た4月以降の水準は20%台が平均となっていました。

「Go Toキャンペーン」による経済の活性化により、徐々に日本全体の経済活動が戻ってきたことに加えて、コロナウイルス関連で「自治体・団体」の不適切対応による炎上が増加していましたが、これが低下したことが「サービス」による炎上割合が増えた理由と考えられます。

二次炎上が増加

9月の炎上事例を分析すると、二次炎上*が発生している企業が多数見受けられました。
*二次炎上:最初に炎上した事象が起因となって新たに発生した炎上

事例Ⅰ 海外健康食品の販売会社
一次炎上:海外健康食品販売会社の異物混入がSNS上で発覚し炎上
二次炎上:異物混入に対する説明が不適切だったことが原因となり炎上

事例Ⅱ 生活情報サイト運営会社
一次炎上:記事に不適切な表現があったとしてサイトが炎上
二次炎上:根拠がない情報であること、また謝罪の論点が誤っていることで炎上

事例Ⅲ ゲーム運営会社
一次炎上:ゲームの約款に個人情報保護の責任を負わない旨が記載されていることで炎上
二次炎上:端末のメモリ領域から情報を読み取っていることが発覚し炎上

上記の事例はそれぞれ異なる業界の炎上を3つ挙げました。
ⅠとⅡに関しては炎上後の対応が不適切だったため二次炎上に発展しています。
では、何をもって顧客や消費者から“不適切な対応”と捉えられてしまうのでしょうか?
ⅠとⅡの炎上に共通しているのは、どちらの企業も炎上した論点が理解できていないまま対応してしまったことです。

顧客や消費者が問題だと認識しているポイントと、企業側の謝罪・説明のポイントにズレが生じています。いくら言葉で謝罪やお詫びを伝えても、顧客に「何が問題か分かってない」と思われてしまうと、その対応は“不適切な対応”と捉えられ、更に炎上の火に油を注ぐ行為にもなりかねません。

Ⅲの事例については、一次炎上が原因で注目され、別の問題が発覚してしまいました。
ネット上で炎上するということは、想像以上のスピードで多くの人の目に触れられるということです。事例Ⅲのように「炎上するような会社だから、他にも問題を抱えてそうだ」と興味を持って調べる人は全く珍しくありません。
中には、過去の不祥事まで掘り起こす人もいます。

一番は指摘されるような問題をなくすことですが、企業としてネットでの情報発信やSNSの運営をする以上、様々なリアクションが起こることを認識したうえでの利用をお勧めします。

まとめ

経済活動が活性化してきたことが、炎上レポートからも読み取れます。
今後も企業における炎上が多くを占めることが想定されるでしょう。
上記でも記載した「二次炎上」ですが、他方では炎上の対応が素晴らしかったという理由から、ポジティブな印象に転換する企業もあります。

多くの方は、“炎上しない為にはどうしたらいいか?”ということを考えていると思いますが、“もし炎上が起きたときにどの様に対応するか?”という側面についても考えてみることをお勧めします。

デジタルリスクラボやメールマガジンでもお役に立てる情報を日々発信しておりますので、是非目を通してみてください。

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