リスクレポート

ネット炎上レポート 2020年8月版

2020年8月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

※炎上事例の定義について
1)日々の監視投稿の中から、AIによるテキスト分析や拡散量などから一定の条件を満たすものをスクリーニング(条件は過去の炎上データから、炎上に繋がりやすいメディア等を適宜チューニング)
2)専任の監視担当が情勢や世論を鑑みて、対象者にとってネガティブな内容であるかの判定

2020年8月のネット炎上トレンド

2020年8月の炎上対象区分(図1)を先月と比較すると、「マスメディア」が7ポイント減少、「個人・著名人」が3ポイント減少、「企業・団体」は9ポイント増加しています。

収集データを元にエルテスが作成

特徴的な点として、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前の2020年2月以来、半年ぶりに「企業・団体」の比率が7割を超えました。しかし、「企業・団体」の炎上対象区分を見ると、先月の炎上対象区分と比較して大幅な増減があった業界は特になく、全体的の割合は類似しています。「企業・団体」の炎上比率が増加している背景には、8月に企業活動が再開されていることが影響を与えていると考えられます。

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「企業・団体」が対象となった炎上内容(図2)を分類すると、大きく2つの特徴が読み取れました。

収集データを元にエルテスが作成

1つ目は、「不適切発言・行為、失言」が先月に比べて、26ポイント減少しています。代わりに、「不祥事/事件ニュース」が9ポイント増加しています。更に、「情報漏えい/内部告発」による炎上については、先月は炎上を確認出来ませんでしたが、今月は16%と大きく比率が増加しています。

8月の注目トピックス

炎上トレンドを分析する中で2020年8月は、大きく2つのトピックスが挙げられました。

情報漏えいによる炎上が増加

8月は企業による情報漏えいが原因となった炎上が多数見受けられました。
Web上で炎上の原因となった「情報漏えい」事象は、約7割が個人情報を管理するシステムの不具合を含む個人情報の漏えいです。また、情報漏えいには至らなかったものの、データが毀損したり、消失したり、個人情報データに関わるヒヤリハット事象に関する炎上事例も散見されました。

Web上の炎上事例という観点では、企業秘密の情報漏えいよりも個人情報の漏えいにユーザーが敏感に反応し、炎上に繋がることが想定されます。

また、情報漏えいと言われると、外部からのウイルス攻撃や不正アクセスやなどを連想される方も多いかも知れません。炎上が確認された事例を見ていくと、システム不具合による個人情報の漏えいやメールのご送信、SNSへの誤った個人情報の投稿が炎上の原因となっています。

外部からのサイバー攻撃だけでなく、内部からの情報漏えいへのリスク対策も炎上対策、敷いては自社のブランド保護に繋がります。一度の情報漏えいやヒヤリハットが、顧客の信頼を壊しかねません。問題が起きる前のリスク対策を検討することをお勧めします。

政治・政権に関連する炎上が増加

もう1つ、2020年8月の大きな世の中の関心事として、安倍前首相の辞任が挙げられます。日本中で反響がありましたが、その影響は炎上事例にも現れました。炎上対象者や炎上の発端となった言動・投稿が政治・政権に関わる炎上は、8月に確認した炎上全体の15%まで占め、更にその内の56%が辞任する安倍前首相に関連した話題でした。
中には、企業や団体の公式アカウントや教育機関の著名人が安倍前首相の辞任に対して個人的な政治観を言及し、批判を招いています。また、過激な表現を用いたとした雑誌にも批判が及びました。

私達は、憲法により表現の自由を保障されていますが、炎上というリスクを勘案し、過激な表現することに真にメリットがあるのか考えなければいけません。世間から注目度が高いことは、ビジネスにも大いに活かせる可能性もありますが、注目度が高いからこそ批判のリスクも高くなります。

企業アカウント運用担当の方や、個人でSNSアカウントの影響力をお持ちの方は、投稿する前にまずは冷静に表現することによるメリットとリスクを天秤にかけてみてください。

まとめ

この半年間の炎上レポートを読み返すと、新型コロナウイルスに関する炎上がメインのテーマとなっていました。未だに新型コロナウイルスは完全収束しているわけではないものの、企業活動は再開され、新政権など私達の興味も多方面に広がりつつあることを、炎上トレンドからも読み取れました。2020年9月以降のこの傾向は踏襲されることが想定されます。

炎上レポートは、炎上傾向から世の中の関心を知り、自社・ご自身のブランド保護に活用いただきたいと考えています。今後も皆様がより分かり易く、デジタルリスクに関する知識を増やしていただけるように、情報提供の機会を多数設けていきます。是非、弊社からの案内を楽しみにお待ちいただければと思います。

デジタルリスクラボ編集部


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