リスクレポート

ネット炎上レポート 2020年7月版

2020年7月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーションを保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

※炎上事例の定義について
1)日々の監視投稿の中から、AIによるテキスト分析や拡散量などから一定の条件を満たすものをスクリーニング(条件は過去の炎上データから、炎上に繋がりやすいメディア等を適宜チューニングを実施)
2)専任の監視担当が情勢や世論を鑑みて、対象者にとってネガティブな内容であるかの判定

2020年7月は、「マスメディア」による炎上が先月から3ポイント増加し、「その他」が3ポイント減少しました。それ以外に先月から大きな割合の変化は見られませんでした。

「企業・団体」の炎上区分を見ると、6月は「サービス」が33%から27%へと6ポイント低下した一方で、「メーカー」による炎上が10%から18%と8ポイント増加しています。過去半年間の記録から、「メーカー」は10%以上を上回ることが無かったため、非常に高い数値と言えます。(図1)

収集データを元にエルテスが作成

 

「企業・団体」が対象となった炎上内容を分類すると、「顧客クレーム・批判」が全体の約6割を占める結果となりました。先月と比較すると、「不適切発言・行為、失言」が約2倍と増えた一方、「顧客クレーム・批判」と「不祥事/事件ニュース」はそれぞれ14ポイント、8ポイント低下しました。「情報漏えい/内部告発」による炎上については、今月は0件となっています。 (図2)

収集データを元にエルテスが作成

「メーカー」による炎上の割合が増加

新型コロナウイルスの感染が広がる以前は、「企業・団体」のうちの5割を「サービス」が占めていましたが、今年の5月以降は20~30%台を推移しており、今月も27%と低い水準を維持しています。

その一方で、「メーカー」による炎上が増加しており、その中でも半数近くが「ゲームメーカー」によるものでした。

具体的な炎上事例としては、人気ゲームソフトの販売方法が不適切だとして公式Twitterに批判が殺到した件や、ゲームのファンコミュニティ内でハラスメントの告発が多数確認された件などが挙げられます。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響による “ステイホーム”で、自宅でゲームをして過ごす時間が増加したのではないでしょうか。

今後も“巣ごもり需要”によって消費が高まる業界については、顧客の増加と共に炎上のリスクも同時に発生することを理解しておくことが必要になるかもしれません。

新型コロナウイルス関連の炎上事例の割合が低下傾向

7月の炎上事例の中で新型コロナウイルスが起因となった炎上は23.7%でした。過去3か月の割合を調べると以下の様な結果になりました。

●2020年4月:71.0%
●2020年5月:55.3%
●2020年6月:30.7%

数値を見て分かるように、ネット上の炎上による新型コロナウイルスの存在感は低下しつつあります。しかし感染者は大都市だけではなく地方にも拡散しつつあり、日本全体で増加傾向にあります。

今後、感染拡大に伴って再び炎上の火種となる可能性はあることを認識しておいた方がよいでしょう。

まとめ

「緊急事態宣言」から数カ月経過し、経済が回り始めたことにより、“コロナが終息するまで踏みとどまろう”ではなく、“コロナとどう向き合い事業を継続させていくか”と考える経営判断を多くの企業がしています。

人々の生活様式や習慣や文化が変化することで、生活と密接しているネット上のリスクも同様に変化していきます。

世間のトレンドや動向とネット上のリスクは切っても切り離せないことを認識したうえで、リスクとうまく付き合っていける知識を、是非本レポートやデジタルリスクラボ内の記事を参考に学びを深めていただければと思います。

デジタルリスクラボ編集部


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