リスクレポート

ネット炎上レポート 2020年4月版

2020年4月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。使用されているデータは、公開されているSNSの情報を独自に収集し、分析したものです。今月は、行政や議員による炎上が確認されました。

「企業・団体」に関わる炎上の比率減少

2020年4月は、先月に引き続き「企業・団体」に関わる炎上の事例が多く見られました。

ただ、炎上対象の比率として、7割を割り込むことが珍しい「企業・団体」に関わる炎上が、3月に引き続き4月も6割台となり、さらに先月より1ポイント低下した62ポイントとなっています。

その一方で、「個人・著名人」の炎上の割合は先月と同様に高い数値を維持しており、2ポイント増加の23ポイント。「企業・団体」の中でも「サービス」の割合が40ポイントまで低下、「メーカー」は3ポイント増加しています。 (図1)

「企業・団体」が対象となった炎上内容を分類すると、「不適切発言・行為、失言」が50%、次いで「顧客クレーム・批判」が24%、「不祥事/事件ニュース」が19%の割合を占める結果となりました。(図2)

地方自治体や議員が発生源となる炎上が増加

新型コロナウイルス感染拡大により、4月7日に「緊急事態宣言」が出されました。当初は7都府県が対象でしたが、全国に広げることを決定し、日本全体が自粛生活を余儀なくされました。

全国の地方自治体ではそれぞれ対策支援の取組が行われ始めた中、4月は特に地方自治体や議員が発生源となったコロナウイルスに関する炎上が多数見受けられました。中には議員がSNSで誤った情報を発信してしまい、批判を受けたケースも数件ありました。

ネットを使えば、情報をリアルタイムで多くの人に発信できますが、拡散された情報は瞬く間に広がっていき、後から訂正することが困難です。また、表現の内容によっては強い批判を受ける可能性も十分にあり得ます。新型コロナウイルスが終息しない状況下においては、誤った情報は人命にかかわる事態も考えられ非常に危険です。

SNSのメリットとデメリットを知ったうえで、組織ごとに安全に利用・運用する方法やルールを確立する必要があると言えるでしょう。

新型コロナウイルス関連に特有の炎上傾向

4月の炎上事例の中で新型コロナウイルスが起因となった炎上は、何と70%以上を占めます。デジタルリスクラボでは昨年の8月より「ネット炎上レポート」を作成していますが、ここまで一つの事象に原因が偏ることはありませんでした。

ここまで関心度が高いのは、世界を巻き込んだ人命に関する話題であるということ、専門知識がなくても、道徳的な観点や倫理観から人々が何かしら意見を持つためと言えます。

ネット上において “道徳観・倫理観”を含む発言を行うと、対面で言葉を交わすのと違ってニュアンスが伝わり辛く、意図しない形で捉えられることがあります。

また、自分が正しい、当然だと感じていることでも、立場が違う人や、感じ方が違う人がいることも忘れてはいけません。クローズドな環境、もしくは同じ価値観を持つグループの中で発信する分にはリスクは低いですが、不特定多数の人間に向けて情報発信する際は、このことを常に頭の片隅に置いていただければと思います。

まとめ

全国で徐々に「緊急事態宣言」が解除されています。ただ、宣言が解除されたからと言って、コロナウイルスが広まる前の生活、社会に戻るとは言い切れません。逆に、新しい社会が今から創られようとしているのではないでしょうか?

これから間違いなく、ネット社会は更に加速していくでしょう。苦手だけでは避けられない時代に突入します。

新しい時代に正しく適応していくためにも、ネットのリテラシーを高めると共にデジタルリスクの理解も深めていきましょう。

デジタル時代の新しいリスク インフォデミックとは?インフォデミックとはインフォメーション(情報)とエピデミック(流行性、伝染)を掛け合わせた造語です。インフォデミックは、情報の伝染と訳すことができ、大量の情報が溢れ、混乱が生じる現象を指します。新型コロナウイルスの感染で広がるインフォデミックの実態に迫ります。...
デジタルリスクラボ編集部


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