リスクレポート

ネット炎上レポート 2020年1月版

2020年1月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。使用されているデータは、公開されているSNSの情報を独自に収集し、分析したものです。

引き続き「企業・団体」に関わる炎上がトレンド

2020年最初の月は、昨年12月に引き続き「企業・団体」に関わる炎上の事例が多く見られました。

1月を含めて過去3か月炎上対象区分の推移を見ると、昨年11月・12月の「企業・団体」に関する炎上事例は80%を超え、平均すると86%と全体の大半を占めておりましたが、1月は76%と10ポイント減少しました。 一方で、「個人・著名人」に関する炎上事例が14%となり、先月の7%と比較すると2倍に増えました。

「企業・団体」の中では「サービス」が48%と全体の約半分を占め、「メーカー」は10%と先月と比較して7ポイント減少しました。(図1)

「企業・団体」が対象となった炎上内容を分類すると、「顧客クレーム・批判」が40%、次いで「不適切発言・行為、失言」が30%、「不祥事/事件ニュース」が15%の割合を占める結果となりました。(図2)

消費者に関わる炎上が増加

年末年始は会社員や公務員は賞与の季節で、企業は年末のセールやお正月の初売りなど消費者の購買意欲が高まるキャンペーンを実施したり、自治体や団体、教育機関でも行事やイベントを行うことによって、消費者と関わる機会が増える時期といえます。実際に「企業が対象となる炎上事例」にもその影響が顕著に表れ、「顧客クレーム」の割合が大幅に増加しています。

“季節”や“時期”といった背景で、炎上が増えてしまう原因として2つに分類できます。

(1)特別なイベントに関わる炎上
(2)消費者の購買活動の活発化に伴い発生する炎上

(1)の事例として、お正月の恒例イベントである駅伝で、大学とスポーツメーカーとの関係性に違和感を覚えた視聴者からの投稿が拡散されました。ユーザーの声は、大学側もスポーツメーカー側も、予期せぬものだったのではないでしょうか。この事例では様々の意見が見受けられ、話題に挙げられた企業のライバル企業に勤務しているというユーザーの声も注目されました。

一方的に批判され立場が悪くなってしまった対象はなく、何かの話題が盛り上がった際に、企業がその話題に巻き込まれてしまう場合があります。その際、企業からの公式発表がないケースもありますが、それは企業が“何もしていない”ということではなく、 静観という対応を”判断した”と考えられます。もちろん、状況が変われば企業が発表した方が良い場合もありますし、または何かしら発信せざるを得ない場合もあります。

その時々の状況に応じて、ネット上で何が起きているのか、自社がどのように言われているのか(思われているのか)を迅速に捉え、それに対してどのような対応を行うのかを判断するという企業や団体の危機管理力が試されます。

(2)に関する事例は、大手通信会社で発生した、顧客にお渡しする書類の中にセールス指示書が紛れ込んでいたという事例です。これにより企業側に批判が殺到しました。炎上が大きくなった要因として2点あげられます。

1点目に指示書の内容が不適切だったことです。批判の論調としては、「客を馬鹿にしている」や「接客業として問題」といった意見が大半を占めました。「同様のショップでは珍しくない」といった中立とも捉えられる意見も多数見受けられましたが、その投稿者たちも業界自体にネガティブイメージを持っており、今後は利用したくないということを暗に発信しています。

2点目に対応の遅さです。通信会社から正式な謝罪メールが届いたのは既にSNSで投稿され、ある程度拡散したタイミングでした。この対応を見ると通信会社と販売店の連携が取れておらず、問題が起きた際にどのような流れで情報を共有し対応の判断をしていくのか、危機管理体制が十分ではなかった可能性が考えられます。

消費者がいる以上、顧客クレームや批判はつきものと言えるので、消費者との関わりが増えれば増えるほど、当然のように顧客クレームや批判も増えていくでしょう。特にBtoC企業は、消費者がネット上で自由に発信できる為、クレームや炎上とは隣り合わせで、いつ何が起きてもおかしく無い状況です。

まとめ

企業側はクレームを最低限に減らす為に社内のオペレーションを整備するとともに、企業活動を脅かす炎上やいわれのない風評被害にも予防と対策が必要といえるでしょう。

昨今ではネットの評判は企業やブランドのイメージを創る大きな要素となっています。ネガティブなネット上の評判は企業にとってマイナスですが、プラスに働く場合もあります。明確な対処が分からない恐怖に頭を抱えるよりも、専門家からのアドバイスを元に企業や団体としての危機管理の土台を固めることが今後重要になっていくでしょう。

総集編|2019年の炎上トレンドと2020年のトレンド予測 2019年の5月には、新元号令和の時代が始まりました。私たちの暮らしも、タピオカやキャッシュレス化など様々なトレンドが生まれました。一方で、計画運休や闇営業も話題となり、世の中の倫理観にも変化が見えてきたようにも感じます。今回は、2019年の社会の変化を映す炎上にどのようなトレンドがあったのか、そして2020年の炎上トレンドを予測してみたいと思います。...
デジタルリスクラボ編集部


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