リスクレポート

総集編|2019年の炎上トレンドと2020年のトレンド予測

2019年も終わりを迎え、2020年まであと僅かです。5月には、新元号令和の時代が始まりました。私たちの暮らしも、タピオカやキャッシュレス化など様々なトレンドが生まれました。一方で、計画運休や闇営業も話題となり、世の中の倫理観にも変化が見えてきたようにも感じます。
今回は、2019年の社会の変化を映す炎上にどのようなトレンドがあったのか、そして2020年の炎上トレンドを予測してみたいと思います。

2019年の炎上トレンド

若い世代では、お店を選ぶ際にInstagramでハッシュタグ検索する、ニュースもTwitterで情報収集するなど、SNSを調べるツールとして活用するケースが増えているようです。そんな情報源になるSNSでは、今年も注目を集める投稿がたくさんありました。

SNSを介して、人気を集めるようなポジティブなケースもありますが、一方でネガティブな情報が発信され、SNS内に留まらず他メディアへも拡散し、レピュテーションが下げる炎上も多く見られました。

皆さんは今年、どんな炎上が印象に残っているでしょうか。
実は1年前、私は2019年の炎上を下記のように予測していました。

2019年は、テクノロジーの進化によってますます関心の高まる「働き方改革」に伴う炎上トレンドが予測されます。
働き方改革を支援する様々なテクノロジーやサービスは日々進化し、人が行っていた作業がAIに置き換わるなど、私達の働き方は多様化しつつあります。一方で、情報漏えいや超過勤務などのリスクがより注目されることになるでしょう。

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4月に施行された働き方改革法案や、副業の推奨など「働き方」への注目度が高く、「労働環境」や「企業と従業員の関わり」に関する炎上がトレンドであったと言える一年だったのではないでしょうか。

「労働環境」や「企業と従業員の関わり」の炎上?

印象的な事例として、皆様もご存知の3つの炎上を上げたいと思います。

不適切動画(バイトテロ)

冬から春にかけて、飲食店のアルバイトやお客様による不適切動画、画像の投稿が頻発しました。一つの企業だけでなく、飲食業界を中心に複数の企業で類似の不適切動画が投稿され、大きなイメージダウンに繋がったことは、記憶に新しいかと思います。

アルバイトへの損害賠償請求を決めた企業もあれば、従業員研修の実施のために全国の店舗を一斉休業した企業もあり、各社様々な対応に追われました。不適切動画の投稿が頻発した背景として、動画投稿への心理的なハードルが低くなっていること、2013年のバイトテロを知らない世代が社会的な影響を理解せず行為に及んでしまったことなどが原因と考えられています。

しかし、それだけでなく、深刻な人材不足の問題を抱える飲食業界で、アルバイトに任せきりで社員の管理が行き届かない労働環境が存在する実態や、業務優先を理由とした研修不足など「労働環境」の問題も原因であるという問題提起も見られました。

従業員の家族からの労働環境に関する内部告発

大手メーカーの人事異動に関して、従業員の家族がSNSで告発するような事例も発生しました。この事例が、企業の労働者との関わり方を再考するきっかけになった企業もあるのではないでしょうか。

SNSやメディアで発信された情報が真実かどうかまでは分からないので、その事例について言及することは出来ません。しかし、会社のブランドイメージや株価に大きなダメージを与える可能性を示した事例でした。
SNS上で、本事例に関する様々な噂が出てきたことで論調が目まぐるしく変化したという点も特徴的な事例かと思います。

また、本事例が話題になったタイミングで、他社で同様の被害を受けたという声も投稿されており、不適切動画同様に連鎖反応が生まれました。企業が、把握していないところで、同じようなやりとりが起きているかもしれないと思うとゾッとする事例だったかと思います。

自然災害時の企業の対応

自然災害が発生し、企業の対応がSNS上で注目を集めました。
台風19号が上陸した際には、「#台風なのに出社させた会社」というハッシュタグがTwitterのトレンド入りし、近くの外食店が営業をしているかを確認しに行き、SNSに実態を投稿しているようなケースも見られました。

高度経済成長期に見られた仕事第一主義の考え方から、家庭や自己実現などを優先するといったように、”仕事”に対する目的意識が多様化しているように感じます。新語流行語大賞のTOP10にノミネートされている「計画運休」などもそのような時代に合わせた企業の対応の側面があるのではないでしょうか。

過去のマニュアルや事例に沿った時代錯誤という印象を与えかねない企業の対応がSNS上で批判される事象が増加しています。

2019年の炎上トレンド総括

改めて、炎上の事例を振り返ると、「労働環境」や「企業と従業員の関わり」に関する世の中の認識の変化に企業が対応を迫られていた1年であったと思います。

「労働環境」に関する問題の一つとして、年末年始に話題に上がるコンビニなどの年末年始営業や24時間営業の是非などについてですが、近年特に議論されるようになりました。2020年に渡り、企業が対応すべき社会の変化がより顕在化した年になったと考えます。

2020年の炎上トレンド予測

このような「働き方」だけでなく、2020年は下記の2つが社会に大きな影響を持つ1年となることが想定されます。

東京オリンピック・パラリンピック

Cookieなどの個人情報保護

東京オリンピック・パラリンピックは、世界中が日本を注目するタイミングです。注目度が上がることで、相対的に炎上しやすい環境が生まれるという観点と、様々な国の人が日本を訪れ、文化的な多様性の受容を求められるという観点で、炎上の引き金が増えることが想定されます。

個人情報に関しては、2020年に法改正が予定されています。今後のビジネスの発展と成長に必要な「情報」をどのように利活用していくのかは、大きな議題になることが想定されます。

来年は、GAFAなどのプラットフォームビジネスに対する議論や、私たちの個人情報を活用したビジネスからどのようにプライバシーを守るのかという点での議論が想定されます。

社会のトレンドを把握して、炎上に巻き込まれないようにしましょう。

デジタルリスクラボ編集部


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