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Web担当者が画像利用でトラブルを起こさないための注意点

Close up of photographer editing his images on laptop.

多くの企業がWebサイトのアイキャッチやサムネイル、SNSの投稿に画像を利用しています。そこで昨今多く使われているのが画像素材サイトです。しかし、画像素材サイトの規約を確認せず利用し、トラブルとなったケースも起きています。
今回は、画像素材サイトを利用するうえで基礎となるポイントを紹介します。

ネットの発展で増す画像無断転載リスク

Googleの画像検索で見つけた素材サイトの画像をそのまま保存して使えると思っていませんか?
デジタル化・インターネット技術が発展したことでデジタル画像の多くは容易に手に入れやすくなり、一方で著作権侵害となるケースも発生しています。近年、特に注意しなければならないのが、素材サイトの画像の無断転載・無断使用です。

画像利用のトラブル例

2015年に有料素材画像を無断使用したとして、素材サイトの運営側が弁護士法人に対して訴訟を起こし、損害賠償を命じる判決が下される事例がありました。

素材サイトの運営会社によると、これまで有料素材の無断使用が発覚した場合、「ほかのサイトから入手した」とされて賠償に応じないケースが多かったという。判決では無料サイトからダウンロードしたものであっても「識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべき義務がある」と判断されました。

このトラブルは権利関係の確認を怠って安易に著作物を無断使用した場合に「知らなかった」「違法だとは思わなかった」という言い訳が通用しないことを裁判所が認めた事例となりました。

この事例からもわかるように、私たち画像を利用する側には、その素材の権利関係について調査、確認することが求められています。企業のSNSやWebサイトに画像素材サイトから見つけてきた画像を使用してしまい、意図しない著作権侵害のリスクもあります。

もちろん、意図的に権利侵害などトラブルを起こそうとする人はいないと思います。しかし、画像素材サイトの画像が元々有料画像素材サイトのものであったり、画像素材サイトごとで規定された利用範囲を逸脱したり、意図せず無断転載や規約違反を行うことは十分考えられます。何かしら画像を利用する立場・仕事に関わる従業員は画像利用と著作権のリテラシーが求められています。

画像素材サイトとは?

そもそも画像素材サイトとはどのようなものなのでしょうか。画像素材はいわゆるWebサイトや資料作成などで使用する写真やイラストのことで、それらを管理し無料もしくは有料で配布しているサイトを画像素材サイトと言います。具体的には、「ぱくたそ」や「いらすとや」、「PIXTA」や「Shutterstock」、「Adobe stock」などの画像素材サイトがあります。これらは、画像素材サイトは、サイトに掲載される広告による収入や、画像素材の販売収入によって、運営されているのがほとんどです。

最近は、「フリー素材」と呼ばれ、多くは無料で使用きるため、SNSやブログ、動画など様々な場面で活用されています。ここでのフリーは、無料で利用できるというフリーと著作権の制限がないフリーという意味が混在しており、必ずしも無料ではないと理解することが重要です。正しく理解しておきたい言葉に、ロイヤイティフリーや著作権フリーなどがあります。

  • ロイヤリティフリー:一度使用許諾を受ければ、その許諾された目的や期間、範囲内での利用は、権利者への使用料や確認が発生しないで使用できること
  • 著作権フリー:著作権が放棄されたり消滅していること

ロイヤリティフリーについて、画像素材サイトのYOURSTOCKでは「著作権を著作者またはその代理人に残したまま一定範囲での使用を許諾するもの」と説明しており、著作権フリーとは異なります。実態がロイヤリティフリーであるのにフリー素材と表記されている場合もあるため、事前に使用にあたっての条件を確認することが重要となります。

冒頭に取り上げた事例は有料で、ロイヤリティフリーの画像などを取り扱っている画像素材サイトであったのに対して、無断で使用したため問題となりました。無料で配布している画像素材サイトでも利用範囲に制限がついているものがあるため、画像を使用する際は利用方法、利用規約などをよく読んでから使用しましょう。

企業・団体が画像素材サイトを使用するときに必ず確認するポイント

画像素材サイトには、ルールや利用上の注意点などが必ずあります。使用前にチェックすべき2点を紹介します。

①利用規約

一つ目は利用規約の説明をよく確認することです。

利用規約はサービスを提供する事業者がユーザー向けにサービスの利用上のルールをまとめたものです。
フリー素材は文字通りの解釈では「無料で自由に利用できる素材」ですが、明確な定義はありません。フリー素材と記載してあっても著作権が放棄されているとは限らず、使用料は無料でも使い方を著作者が定めている場合などがあります。そのため、フリーと書かれていても文字通りに解釈するのではなく、利用規約の範囲内で自由に利用できる素材と考え、使用前に利用規約をよく確認することが大切です。

また、利用規約は画像素材サイトごとに内容が異なり、素材を使うには使用するサイトの規約に同意し遵守する必要があります。他の画像素材サイトでは問題がなかった使い方が、サイトによっては禁止となっているものも多くあるため、たとえば以下のような項目は必ず確認する必要があります。

  • 商用利用が可能か
  • ダウンロードした素材を加工することは可能か
  • クレジットや素材掲載元のリンクの明記が必要か

②よくある質問・ヘルプ

2つ目はよくある質問やヘルプページをしっかり確認することです。
多くの画像素材サイトでは、よくある質問やヘルプページが用意されています。利用規約に記載されているが分かりにくい内容などをよくある質問等でまとめられていることが多くあります。目を通しておくことを推奨します。もし、よくある質問に当てはまらない場合はお問い合わせをして、事前に確認したうえで使用しましょう。

利用するときの使用方法

画像素材サイトの利用方法はサイトによって異なります。自由に使用することができるものもあれば利用するにあたって細かい制限があるサイトもあります。
以下は特に注意しなければならないよくある制限の一例を紹介します。

  • サイト名記載必須
  • クレジット表記必須
  • 画像加工禁止
  • トリミング禁止
  • 商用利用不可
  • 個人利用のみ可、商用利用は有料

このように無料で利用できたとしても商用利用できない場合や、画像の加工ができない場合もあります。商用利用可能であってもサイト名や著作者の名前(クレジット)を入れる、事前にサイト運営者に連絡を取って許可をもらう、といった追加の手順が必要な場合なども多く存在します。また、過去の判例などで賠償請求や外部指摘による企業の評判低下などのリスクを理解し、使用方法が不明確な場合は利用しないことをおすすめします。

画像にも権利があることを忘れないように

「フリー素材」=「無料でなんでも自由に使っていい」ということではありません。フリー素材にも元を辿れば著作権などの権利があり、多くは利用許諾があるうえで配布されています。そのためフリー素材を利用する場合でも利用規約をしっかりと確認することが大切です。また、自社で利用する場合だけでなく、SNS運用やWebサイト制作時に代理店に依頼しているケースであっても、どの画像素材サイトの画像を利用しているのか、それらの利用方法は規約に準じているかなどの確認を行うことが必要です。

著作権などの問題は、見落としやすい一方で、知らなかったでは済ませられないトラブルに発展することが多くあります。特に炎上が身近になった昨今では、トラブル発覚の経緯によってネット上で担当者が批判を浴びるだけではなく、会社のリテラシーや信用を疑われてしまうことも大いにあり得るため、リスクを理解し日々の業務で気を付けておくことが大切です。

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