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SNSでなりすましされた場合のリスクと対処法【Twitter・Instagram・Facebook】

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「あれ?この有名人、SNSやっていたっけ?」「有名企業のアカウントに見えるけど、どことなく不自然な感じがする。」近年SNSで頻発するアカウントのなりすましは企業の頭を悩ませる大きな問題です。適切に対処しなければ企業の評判を下げる結果にもつながりかねません。今回はSNSでなりすましが発生した場合のリスクと対処法についてご紹介します。

増えるSNSのなりすまし

私たちの生活に身近な存在となったSNS(ソーシャルメディア)。その情報拡散性の高さから、企業が自社のPRのために活用する事例も身近なものになりました。その反面、アカウントの知名度が上がるにつれて、その人気にあやかった「なりすまし」が発生し、企業の評判や看板を汚すリスクが生まれています。

トレンドマイクロ株式会社が2020年12月から2021年1月にかけて調査を行った「公式インスタグラムアカウントのなりすましに関する注意喚起公表月別ブランド数」によると、2020年12月だけでも66個のブランドが被害を公表していたことがわかっています。

また、エルテスが独自になりすましアカウントの動向を調査したところ、なりすましアカウントは以下の目的で作成されていることが見えてきました。

目的1:なりすましアカウント通じたフィシング詐欺や偽商品の販売
目的2:なりすましアカウント通じて取得した個人情報の売買
目的3:なりすましでフォロワーを獲得し、アカウントを売買

SNSアカウントのなりすましは、企業だけではなく有名人も標的になり、どちらも知名度を利用することが考えられます。そのため、その企業の顧客や有名人のファンなどから本物のアカウントだと勘違いされ、混乱を生む恐れも十分あるでしょう。

SNSなりすまし問題のリスクとは

上記のような目的で作成されたなりすましアカウントは、なりすまされた企業等にどのような影響を与えるのでしょうか。主に2つが考えられます。

一つ目は、なりすましアカウントが顧客の個人情報の不正取得やフィッシング詐欺を働き、企業の顧客が被害を受けるリスクです。

元々、企業のSNSをフォローしようとする利用者は、情報をキャッチアップしたい既存顧客か潜在顧客である可能性が高いです。なりすましアカウントは、そのような利用者に対して「抽選に当選した」等のDMを送付し、フィッシングサイトなどに誘導する事例が報告されています。最終的には、クレジットカード情報などの個人情報の入力を求めるため、顧客の情報漏えいやそれが不正利用されるリスクにつながります。

また、本来は企業に責任はないのですが、知らぬところで企業への不信感や不満が生まれてしまう可能性も否定できません。さらに実際に、顧客からなりすまされた企業への相談もあるようで、対応のために業務負担が増えるような影響も考えなくてはなりません。

二つ目は、なりすましアカウントによって虚偽の情報を流され、企業の名誉が棄損されるリスクです。なりすましアカウントの存在を把握していない利用者にとっては、なりすましアカウントの情報が公式のものと誤解される恐れがあります。知らず知らずのうちに会社のイメージがダウンしていることにつながりかねないため、早めに注意喚起を行うことが大切です。

企業のSNSアカウントがなりすまし被害に遭う手口

最近、なりすましの事例が増えているのがInstagramです。企業の名前を騙って、利用者に接触する巧妙な手口が散見されています。

よくあるなりすましの手口として、企業の公式アカウントのIDに似せたアカウントを作成したり、IDに「official」といった文言を入れる手法が多く報告されています。

なりすましアカウントは公式アカウントと比べてフォロワー数が少なかったり、公式の認証マークがなかったりして、よく見ると見分けがつく場合が多いです。しかし、なりすましに気づかずフォローした相手には、ダイレクトメッセージ(DM)で「当選メッセージ」や「期間限定」など利用者の射幸心を煽るメッセージを送ることで、本物と認識させ、フィッシングサイトに誘導するなどの被害に発展するケースがあります。

実際になりすまし被害に遭った企業の中には、なりすましのアカウントを公表し、利用者に注意喚起を促している事例も増えてきています。たとえば、ある化粧品会社では、なりすましアカウントのIDと正しいアカウントを記載した情報をWebサイトで公開し、顧客に対して注意を促しています。

なりすましが発生した場合の対処法

なりすましが起きた場合、それぞれのSNSのプラットフォームからなりすましアカウントを通報することが正攻法です。なりすましの舞台となるSNSは主にTwitter、Instagram、Facebookのため、今回は3つのSNSでの通報手順についてご紹介します。
※いずれもPCで操作した場合の対処法です

Twitterでなりすましが発生した場合

twitter_account page

1. 画像右上の「・・・」ボタンを押します。
2. 「@(アカウントID)さんを報告」を選択します。
3. 「私や他の利用者になりすましをしている」を選択し、その後の案内に従って報告します。

Instagramでなりすましが発生した場合

Instagram_account page

1. 画像右上の「・・・」ボタンを押します。
2. 「ユーザーを報告」を選択します。
3. 「アカウントを報告」を選択します。
4. 「なりすましアカウントである」を選択し、その後の案内に従い報告してください。

Facebookでなりすましが発生した場合

facebook_account page

1. 画像右上の「・・・」ボタンを押します。
2. 「サポートを依頼またはページを報告」を選択します。
3. 「詐欺行為となりすまし」を選択し、その後の案内に従って報告します。

まとめ

SNSのなりすまし問題の対処法にとして、「見つけた場合はSNSの通報フォームを活用すること」「定期的になりすましアカウントの有無をチェックし、早期発見をすること」がまずは重要です。
日々、多様化するSNSのリスクですが、最新情報を常にキャッチし、すぐに対策できるようしましょう。

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