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YouTubeにアップされた不適切動画の削除方法とは。

2020年2月に公開されたYouTubeの公式ブログによると、「YouTube の月毎のユーザー数は世界 20 億人を超え、投稿される動画は毎分 500 時間に達しています。」と報告され、私達の情報を得るソースとして、大きな影響を持ち始めています。SHIBUYA109 lab.の調査でも、around20の5割以上が男女ともに情報収集時にYouTubeを利用すると回答しています。今回は、消費活動にも大きな影響を持ちうるYouTube上で不適切な動画が掲載された場合のYouTube上の動画の削除依頼方法を紹介します。

YouTubeにアップされた不適切動画実態

全世界で毎分500時間の動画が投稿され続けているYouTubeですが、企業や個人が不利益を被ってしまうような動画が掲載されるケースも存在します。実際、そのような動画がYouTube上に投稿された場合、削除することは可能なのでしょうか。

Googleの透明性レポートによると、2020年4月~6月の3ヶ月間で、11,401,696件の動画を削除したと報告されています。日本でも、同期間に78,212件の動画が削除されています。また、2020年1月~3月に日本で削除された動画は、36,965件でした。数字を見る限り、削除される動画は急激に増加しています。

では、どのような動画が削除対象になるのでしょうか。Googleが削除対象になる動画は、Googleのコミュニティーガイドラインに反する動画です。

削除理由の全体の8割は下記の項目によるものです。
・児童の安全
・スパム、誤解を招く表現、詐欺
・ヌードや性的表現
・暴力的または生々しい描写

ここで示されている動画削除は、9割以上が“自動システムによる削除”が行われたケースです。一方、3ヶ月間で全世界から38万件以上の動画が一般ユーザーの報告によって削除されているとも報告されています。
このように日々多くの動画がアップロードされる一方で、不適切な動画が削除され続けているYouTubeですが、ビジネス領域で活躍する法人や個人がYouTubeに掲載された動画の影響を受けることもあります。

YouTubeの不適切動画がビジネスに影響を与えた事例

あるYouTuberが食品売り場で会計を済ませていないお菓子に爪楊枝を入れる動画を掲載しました。投稿者は店舗の営業を妨害したとして偽計業務妨害で逮捕されました。この投稿者は、今回の動画だけでなく、万引きを装ったり、菓子パンの袋を破っている動画を過去に投稿していました。動画が投稿された後、該当の店舗には顧客からの問い合わせが殺到し、警備の強化を行うなどの対応に追われました。

仮に動画が掲載され続けると、このような爪楊枝などの異物混入商品が販売されている、警備が十分ではない等の風評被害を受けうる可能性がありました。そのような可能性を鑑みた削除対応であったと考えられます。

“誤解を招く表現”、“いやがらせやネットいじめ”や“悪意のある表現”は、削除理由であるとGoogleは表明しています。具体的には、名誉毀損に当たるケース、特定の人物の個人情報が掲載されているケース、著作権の侵害となるケース、営業妨害につながるようなケースは、削除の対象となると想定されます。

削除が必要な理由

不適切な動画を放置した場合、SNSなどで動画が拡散されてしまい、ブランドイメージが低下してしまう可能性があります。投稿直後は無視されたとしても、未来に不祥事が起きた際に過去の動画が掘り返さえることも多々あります。このようなブランドイメージの低下は、人材採用、取引先との関係、売上などに影響を与えうる可能性があります。

削除方法

動画の削除依頼の方法を紹介します。企業の場合、動画を削除する方法は名誉棄損や著作権侵害など「法律に違反している動画」として削除を申し出る場合に限られます。

法的な申し立てと裁判所命令
YouTube 上のコンテンツがご自身の権利を侵害している、または該当する法律に違反していると思われる場合は、商標権、名誉毀損、偽造品、またはその他の法的な問題の申し立て手続きに沿って申し立てを行うことができます。アップロードしたユーザーに対する裁判所命令がある場合は、法的な申し立てを行った後に自動返信されるメールへの返信に裁判所命令のコピーを添付してください。裁判所命令は一連の地域的基準と世界的基準に従って検討、評価されます。」
引用:法的な申し立てと裁判所命令(Google)

上のYouTubeの規約からもわかるように、法律に違反している場合に削除を申請することができます。削除依頼方法として次の3つを紹介します。

・削除依頼方法1:動画投稿者に直接削除依頼する
・削除依頼方法2:YouTubeに削除依頼する
・削除依頼方法3:弁護士に依頼する

(1)直接動画投稿者に削除依頼する

1つ目は動画の投稿者に直接削除依頼をする方法です。2018年7月にYouTube上でプライベートメッセージの送信ができなくなってしまったため、直接連絡を取る場合は投稿者の他SNS経由もしくは投稿者のチャンネルに記載されている連絡用アドレスを使う2つの方法があります。投稿者のチャンネルの「概要」を開くと連絡用メールアドレスが記載されている場合が多いので、まず「概要」を確認しましょう。
実は、(2)YouTubeに連絡をして動画を削除依頼する場合でも、この動画の投稿者に直接削除依頼をする方法を実施しておくことが必須です。

YouTubeに削除依頼する

2つ目はYouTubeに連絡することです。プライベート侵害を報告する場合にはプライバシー侵害の申し立て手続きのページから行うことができます。手順に従って必要事項を記載して送信を行います。YouTube側と投稿者の対応を待ちます。送信してもすぐに動画が削除されるわけではないので注意してください。

YouTube上には著作権侵害に対する通報システムが存在しており、著作権侵害を行っている動画はYouTube側によって、勝手に削除される場合があります。YouTube上のコンテンツは、Content IDで著作権が管理されています。Content IDは、音楽、映画、テレビ番組、ビデオゲームなどの著作権で保護された素材の著作権を保有している法人が発行することができます。Content IDは、YouTube上のコンテンツをスキャンしており、著作権で保護された素材を含む動画がアップロードされると、Content ID の申し立てをすることができます。著作権を保有する人物は、コンテンツのブロック、コンテンツで得られた広告収入を得る、アナリティクスデータを得るの3つの対処方法を選ぶことが出来ます。
(参考:Content IDの仕組み

削除依頼方法3

3つ目は弁護士に依頼する方法です。動画の投稿者への依頼もYouTubeへの依頼もどちらもうまくいかない場合は弁護士に依頼して動画を削除する方法があります。ただし弁護士に依頼するので費用が発生しまし、必ず削除できるものではありません。弁護士に状況を伝え、削除の可能性があるのか等をしっかりと確認し、依頼について判断することをおすすめします。

削除依頼の際の注意点

どんな動画でも申請すれば削除できるわけではありません。依頼主から欠落している視点として、「動画の公益性」です。

YouTubeのガイドラインには、「プライバシー違反として削除の判断をする際には、公共性や報道価値なども考慮されます。」と記載されています。公益性とは「公の人々の利益になりうる」という意味で、多くの人のためになる情報を意味します。
公益性の観点から、セクハラ行為の告発など誹謗中傷であるコンテンツではあるものの、ニュース性の高い情報は削除されない可能性があります。動画投稿者の利益に対して被害が大きい場合は削除されますが、被害よりも利用者の利益のほうが大きい場合は削除するのが困難になります。
(参考:YouTubeプライバシーガイドライン

企業が動画削依頼を出す場合は違法性がある動画にかぎられます。そのため、自社に損な内容の動画でも依頼をする前に法律に違反している内容の動画かどうか確かめることが重要となります。

まとめ

弁護士による動画の削除には数ヶ月~1年程度かかると予想されます。ネット上に動画が載せられるとあっという間に拡散されてしまい、企業のイメージダウンにつながってしまいます。そのため、YouTube上に自社に対して損な動画が載せられてしまった際は、違法性のある動画かどうか確かめて削除依頼をする素早い対応をおすすめします。

デジタルリスクラボ編集部


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