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ソーシャルジャスティスウォリアーとは?詳しく解説

SNS上での誹謗中傷、風評被害が世間の話題を攫う中、ソーシャルジャスティスウォリアーという言葉が注目を集めており、実際に企業や著名人が被害を受けた事例も見受けられます。今回は、企業や著名人がSNS運用時に気をつけるべきソーシャルジャスティスウォリアーについて紹介します。

ソーシャルジャスティスウォリアーとは

ソーシャルジャスティスウォリアー(SJW)とは、social Justice(社会正義)とwarrior(戦士)から出来ている言葉で、20世紀後半には社会正義のために戦う人という意味で用いられており、必ずしもネガティブな印象を持つ言葉ではありませんでした。文化の多様性やフェミニズム、ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)など社会進歩的な考え方を持つ人々を指し、最近耳にするようになった政治や文化の考え方に結び付くことが多いといわれていました。

しかし、2011年ごろからアメリカのSNS上では、以前と異なる意味で使われるようになりました。「正義を盾に相手を攻撃する人々」を指すような使い方がされるようになり、侮蔑的なニュアンスを持ちました。具体的には、SNS上で行き過ぎた正義感を振りかざし、他者に誹謗中傷などの攻撃を行うユーザーのことを示します。

ソーシャルジャスティスウォリアーの特徴

ソーシャルジャスティスウォリアーの特徴にはさまざまありますが、以下のようなケースが代表的です。

・自分の正義感に酔っており、相手の意見は聞き入れず断罪しようとする
・攻撃的、独善的で、「悪」と見なした相手にしつこく攻撃を加える
・現実ではなく、主にインターネット上で活動する
・見ず知らずの人のアカウントにSNS上で持論を送り付け、執拗に絡む

以上の特徴から「主にインターネット上(SNS含む)で活動し、正義を盾に執拗に攻撃する」姿勢があることがわかります。
こうしたソーシャルジャスティスウォリアーがインターネット上で具体的にどのような行動を取っているのか、最近の事例を見ていきましょう。

コロナ感染者への執拗な誹謗中傷

インターネット掲示板で、新型コロナウイルスに感染した人に対する誹謗中傷の書き込みが相次ぎました。なかには、感染者を特定しようとする動きもあり、「感染者はこの店に立ち寄った」などとして、不確かな情報(デマ)を流された店舗に非難の電話が殺到することもあったようです。

感染者が移動をすることで、感染を拡大させてしまうことはあったかも知れませんが、悪意を持って意図的にそうしたわけではないと考えられます。ですが、ソーシャルジャスティスウォリアーは「〇〇にコロナを持ち込んだ悪人」と感染者にレッテルを貼り、まるで加害者であるかのように執拗に誹謗中傷などの攻撃を行いました。
他にも「自粛警察」などと称されるようになった、外出自粛を行わない人や実家へ帰省した人を執拗に攻撃したケースもあります。

また地震や大雨などの災害後に、SNSへ不謹慎な投稿をしたためにソーシャルジャスティスウォリアーから批難を浴び、謝罪に追い込まれるような事象も発生しています。
それだけでなく、企業がポジティブなSNS投稿を行った日が、過去に自然災害が発生したり、第二次世界大戦中に大きな被害を生んだ日だったことに対して抗議が起きたケースもあります。

まさに中世ヨーロッパで発生した魔女狩りのように、不謹慎と感じたユーザーに対してSNS上で執拗に攻撃を行っているのです。なぜ、このようなことがおこるのでしょうか。次の項でその原因について解説していきます。

ソーシャルジャスティスウォリアーが生まれる背景

まず、皆さんに理解いただきたいのは誰もがソーシャルジャスティスウォリアーになりうる可能性があるということです。私達はそれぞれに異なる価値観を持っており、事件や事故の重要性、感じ方も異なります。

しかしソーシャルジャスティスウォリアーは自身の価値観が正しいと強く信じており、近視眼的に他者へ攻撃を行っていると考えられます。「悪に対する攻撃はすべて正しい」と自己肯定しており、自分の攻撃が過剰であるということに気づきにくくなっていると思われます。

これは近年、SNSなどの情報流通構造が高度化して、パーソナライズが進んでいることが関連していると考えられます。SNS上で近しい思想のアカウント、近しい意見が目につきやすくなることで、自身の考えに対する肯定感が強まる可能性があります(エコーチェンバー現象)。

当人にとっての正義が、ときに多くの人を傷つける結果になってしまうことは皮肉なことです。このようなSNS上での個人への批判が、相手の命まで奪ってしまう可能性もあることを私達はしっかりと理解しなければなりません。

現在、Web上で個人を誹謗中傷から守る動きが加速しています。匿名での投稿であってもプロバイダ側への開示請求が行われ、警察から罪に問われる可能性もあります。決して集団心理に飲み込まれず、物事を俯瞰する意識を持つことが、自分自身がソーシャルジャスティスウォリアーになってしまわないために必要なことです。

ソーシャルジャスティスウォリアーに攻撃されないために

ソーシャルジャスティスウォリアーの言動は偏っていることが多いですが、時には同調者を多く集めることで、企業のアカウントを炎上させることもあります。また、発端は言いがかりのような意見だったとしても、企業側が対応を間違えることで、周囲のユーザーの反発を招くケースもあります。
以前には、原爆記念日に投稿された配慮のないTweetが炎上に繋がったケースがありました。原爆というセンシティブな話題に関連して、誰かを不快にさせる可能性はないかという配慮があれば、こうした事態は避けられたかも知れません。

企業のSNS炎上を防ぐ一つの予防策として、ソーシャルジャスティスウォリアー、「正義を盾に相手を攻撃する人々」の存在を理解し、配慮あるプロモーション行動を行うことが企業のレピュテーション・マネジメントにおいて重要になります。

デジタルリスクラボ編集部


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