研究員コラム

今更聞けないブランドとブランディングの違い。

みなさんが普段何気なく使っているブランド、ブランディングという言葉を聞いて、どんなことを想像しますか?私は、果てしなく追い求め続ける非常に尊いものだと想っています。「ブランドの構築が大事だ!」「ちゃんとブランディング考えてる?」、言うは易しですが、「難しいんだよ!」というのが、皆さんの本音ではないでしょうか?
今回は、そんなブランド、ブランディングについて、整理してみたいと思います。

ブランドとは?

日常生活の中で、「ブランド」という言葉をどのように活用しますか?「その服、ブランドものだね!」のように、高級感、特徴的で誰もが知っているという言葉に置き換えることが出来る場面で活用するケースが多いのではないでしょうか。

大量生産、大量消費時代を迎え、モノがあることが当たり前となり、周りには様々な情報が溢れています。戦後日本のモノがない時代は、今や過去となっています。

フィリップ・コトラーは、ブランドに下記のように述べています。

「マーケティングは時代とともに進化を続けています。とくに、マーケティングの中における『ブランド』の位置づけは激変したと言っていいでしょう。私が『マーケティング・マネジメント』という教科書の第一版を書いたのは1967年のことですが、そのときにブランド論に割いたのはたったの2ページでした。『ブランドとは何か』について定義しただけです。正直なところ、ブランドが今日のように重要な要素になるとは想像すらしていませんでした

現代社会においては、ただ存在するだけでなく、多くの中から認知され、良さを理解され、選ばれることが重要であり、売れる仕組みを作るマーケティングにおいても、ブランドの重要度は高まっていると読み取れます。

ブランドの起源

「ブランド」という言葉の歴史を覗いてみましょう。

「ブランド」は、中世の北欧民族の言葉「brander」(焼印を押す人)から派生したと言われています。当時、放牧されている家畜に焼印を施すことで、家畜の所有者を特定していました。 (brandを英和辞書で検索してみると、名刺の焼印という意味もあります。) 言葉誕生の背景からも、「ブランド」は識別する役割を担っていることが見て取れます。

同じ家畜でも、焼印から所有者を思い浮かべ、外見だけでは分からないこと(どのように育てられているのか、どんなものを食べているのか、どこで生まれたのか等)を想像し、知らぬ間に家畜の価値の優劣をきめていたのではないでしょうか。

このように、シンボルとイメージ、価値観が結びつき、初めて「ブランド」として確立されるようになります。

ブランディングとは?

イメージ、価値観を伝え、シンボルと結びつける活動に着目してみましょう。
実は、ブランディングという言葉を分解してみると下記のようになります。

brand+ing(動名詞)
※動名詞とは動詞を~ing形にすることで、名詞の役割を持たせたものです。よって「~すること」の意味になります。
※スタディサプリより

つまり、ブランディングは、誰にとっても識別しやすいものにする活動を示しています。
また、一点の情報だけでなく、常に変化し続けるものという印象さえも受けます。ブランドが示すモノやサービスに関連する全ての活動がブランディングであるとも言えるかも知れません。

昨今では様々なブランディングの種類が企業に求められています。

具体的には、プロダクトブランディング、コーポレートブランディング、採用ブランディングと言ったものです。これは、企業のステイクホルダーが増えたことで、ターゲットやゴール毎に目指すべきブランドのイメージが異なることが影響しているのではないでしょうか。

なぜブランディングが必要になったのか

商圏の拡大が大きな要因と考えられます。

大量生産前の時代では、競合するモノやサービスも少なく、機能面として充足されているだけで、選ばれたことが想像できます。しかし、貨幣制度が成立し、経済の仕組みが成り立ち、海を超えてモノやサービスがやり取りされるようになりました。類似のモノやサービスの出現で、私達は「選ぶという行為」の必要性が生じてきました。

そのためには、目の前のモノやサービスの機能的な優劣はもちろんですが、優劣がつけられない場合はこだわり(ブランド)で差別するしかないのです。

今後、仮想通貨などの中央銀行の枠を超えたお金のやり取りが増える未来には、より一層世界中のモノやサービスの価格の優劣は平準化され、何かを選ぶためにはブランドが重要なファクターになることが予想されます。

ブランドを構築するのは簡単ではない

冒頭、「ブランドは言うが易しだが難しい」と申し上げたように簡単なものだと思っていません。しかしながら、営業面、人事面、資金調達面、様々な観点で選ばれるためには、外観だけでは見えない部分を正しく伝え、本来の価値を理解してもらわなければなりません。

自社のブランドがどのように見られているのか、ブランド価値向上のために正しいブランディングを実施できているのか、定期的に立ち止まって考えてみることが必要かも知れません。

参考文献
「英語 動名詞の基本と応用」スタディサプリ大学受験講座

【執筆】奥村高大 (おくむら たかひろ)
同志社大学卒業後、銀行に就職。その後、企業の経営課題解決を目的とするフリーランスのシェアリングサービスに従事し、2018年にエルテスに入社。事業推進Grにて、マーケティング業務を中心に、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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