炎上事例

【海外レポート】ケーキのデザインで大炎上!?

2015年6月、米国のスーパーマーケットがISIS(イスラム国)のシンボルマークが入ったケーキを販売したとして大炎上しました。一部では、企業に同情する論調もあるとのことです。事件の背景から、企業が考慮すべきリスクを確認していきたいと思います。
※本記事は、2016年2月17日に公開された記事を一部再編集しております。

なぜ起こってしまったのか

当該のスーパーマーケットには顧客の好きなデザインでケーキを製作・販売するサービスを提供していました。当初、とある顧客から「Confederate flag(南部連合旗)」をデザインしたケーキを作ってほしいと注文があったものの、アメリカでは人種差別、黒人差別の象徴とされることを考慮し拒否しました。

すると今度は別のデザインで作ってほしいと言われました。担当した販売員やケーキ職人がそれをISISのシンボルとは知らずに製作・販売した後、インターネット上にアップロードされてしまいました。

無知ゆえに販売したもので、後に同社の広報担当も「(注文された)シンボルの意味を知らなかった」と釈明しています。
しかし、画像のインパクトがSNSを中心に拡散を呼び、「わざと」ISISのシンボルでケーキを作った、悪意がある行為だとして、当該スーパーマーケットを運営する企業が大炎上に至りました。結果的に、SNSを中心に批判が広がり、謝罪にまで至りました。

企業の「表現」には、リスクがつきまとう

この件には同情を示す声もあります。
日本でも、企業が「表現」によって炎上するケースが増えています。

たとえば…
某ショッピングセンターが女性のファッションへの意欲を促す目的で制作したCMが「女性蔑視」と捉えられ、SNSを中心に大バッシングを受けて炎上しました。このように、企業があくまで宣伝・広告を目的に制作したものであっても、見る人の捉え方によっては「差別的」「侮辱的」とみなされ、それがSNSで拡散されることで同調者が増えて大炎上へと繋がるのです。

SNSユーザーの論争が新しい拡散を生む

さらに、両者に共通するポイントとして「議論型炎上」があげられます。これは、議論が分かれることでより炎上が大きくなるケースです。今回の場合、企業や担当者に明確な悪意がないため、同情する声も多く、批判するユーザーと同情するユーザーの間で議論が沸き起こり、さらに炎上していきました。

企業がチェックすべきポイント

極端に言えば「殺人」「暴力」など明らかに「悪」とみなすことのできる内容については気づくことができます。また、社外に出す際に広報担当者が入念にチェックを行う企業もあります。しかし、主義・主張やその人の環境によって価値観の異なるものについては、どれだけ注意深くみていても気づくのが難しいのです。
上の事例のように炎上に至った例をみてみると、いずれかに触れたことが原因として挙げられます。

3つの原因
① 「人種差別」「男女差別」などの差別問題
② 領土問題や戦争責任
③ 宗教

これらには明確な善悪の共通概念がないため、その人の価値観で捉え方が大きく変わります。CMやポスターなど、何かを制作する際にはこれらの話題に触れていないかのチェック項目を作っておくことで炎上を起こす可能性は低くなります。

炎上の火種をみつける

炎上は起こさないのが原則です。起こしてからでは、悪意がなかったが認められ、同情の声が集まったとしてもイメージ低下は防げません。しかしながら、企業が制作するすべてのものをチェックすることは不可能です。
その場合、モニタリングが有効となります。炎上した米国のスーパーマーケットの事例でも、投稿された際に「●●(スーパーマーケット名称) makes ISIS cake, refused Confederate flag cake.(●●が南部連合旗のケーキを拒否してISISのケーキを作った」と題しています。

最も重要なことは、SNS上の論調を常に把握しておくこと

社名と炎上に繋がりやすい話題に関したキーワードを掛け合わせてモニタリングを行い即座に検知していれば、削除を要請したり、話題になる前に事実関係を整理して釈明を行うことで、ここまで大炎上にはならなかったかもしれません。
初期対応が、大きな炎上を食い止めるために非常に重要になっています。
自社の体制がどのように構築されているか、一度チェックしてみてください。

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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