炎上事例

【海外レポート】他国の伝統衣装を着ることは文化の盗用?

アメリカのファッション誌で、白人のアメリカ人モデルが、「芸者」風の衣装で撮影を行ったところ、「日本の文化を盗用した」という趣旨の批判が相次ぎました。グローバル化が進み、諸外国を観光に訪れた際に、現地の民族衣装を纏い、SNSにアップするケースも多々見受けられます。その際に留意すべき点について考察していきます。
※本記事は、2017年2月22日に公開された記事を一部再編集しております。

多様性の時代だからこそ、起きてしまった

ファッション誌は、この号を”Diversity Issue”と銘打ち、文化の多様性を打ち出した特集を意図していたものの、こうした特集で白人女性が日本風の衣装を着て撮影を行ったことに「違和感を覚える」との声が海外で多く見受けられました。
アメリカの新聞会社であるLos Angeles Timesによれば、批判の対象となったモデルは、アメリカ国籍でアジア系ではないとのことです。

モデルはTwitter上で謝罪メッセージを発表

この炎上に対し、批判の対象となったモデルは、Twitterで以下のようなメッセージを発表しました。

「これらの写真は私のものではない文化を盗用したものでした。このような、文化的に無頓着な撮影に参加したことを心から申し訳なく思っています。私の目標は、常に、そしてこれからも、女性たちを力づけインスパイアすることです。私は今後の撮影がこの目標を反映したものであることを約束します」

このメッセージをTwitterに画像形式で投稿し、このモデルは正式に謝罪を表明しました。

海外と異なる日本の反応

このケースの興味深い点は、「文化を盗用」された側である日本では、批判的な論調にあまり発展しなかった点です。それどころか、Twitterでは日本人ユーザーから「私は日本人だが、差別的意図は感じなかった」「素敵な写真をありがとう、すごく綺麗」といった、どちらかといえば擁護の声のほうが多く見受けられました。このモデルの公式FacebookやTwitterには、日本のユーザーから英語や日本語で、このモデルを擁護するメッセージも多く寄せられました。

別のモデルが「人種差別的」な炎上をしたばかり

今月12日には、別のモデルが、Instagramに目を細める仕草をした動画を投稿したところ、「アジア人を侮辱している」という批判が相次いだばかりでした。このモデルは、アジア料理店で食事中、デザートに添えられていたアジア人男性のように見えるクッキーを持ち、その横で目を細めるポーズをした動画を投稿したところ、多くの批判が集まっていました。

日本と海外では、感覚に大きな差があることも

今回の海外モデルが日本風の衣装を着て「文化の盗用」と批判された件は、日本人にとってさほど気にならないものの、海外(特にアメリカ)では、よりセンシティブな問題に発展した事例でした。
このように、メッセージを受け取る側のバックグラウンドによって捉え方が大きく異なることは、実際にも考えられます。
訪日外国人が増えている現在、そのようなインバウンド需要を見込み、例えば日本の企業がインバウンド関連の広告をした場合、どうでしょうか。
日本人の感覚では問題なかったとしても、特定の国や民族、宗教を信仰する人々にとって、とても不快なものに感じることも考えられます。インターネット上で海外の方にメッセージを発信する際は、様々な可能性を想定し、安易に日本人の感覚だけで判断しないことも重要ではないでしょうか。

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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