炎上事例

採用担当者も見えていない?デジタル化で見えなくなった就活生の本音

売り手市場の新卒市場は、毎年激変しています。エンジニアの初任給高騰など話題はつきません。今回は、ソーシャルメディアサービス(SNS)を当たり前のように使いこなす学生たちと向き合う企業の採用現場で、考慮すべきリスクを取り上げます。
※本記事は、2018年11月21日に公開された記事を一部再編集しております。

SNSは用途毎に使い分けられる時代

2011年の東日本大震災をきっかけに大きく普及したTwitterなどのSNSですが、ご存知の通りLINEやFacebook、Instagramなどプラットフォームは、多様化しています。
スマホを使いこなす世代にとっては、日常生活でSNSはなくてならないツールとなっています。

世代によって異なるSNSプラットフォーム

30代以上の世代では、Facebookの利用率は高い傾向にあります。
一方、20代の学生たちに人気のあるSNSは、TwitterやInstagram、LINEとなっており、Facebookの利用率はあまり高くありません。InstagramをFacebookと連動して利用できるため、Facebookはアカウントを持っているだけで、実際には利用していない学生たちも増えています。

採用活動に関わる担当者は、SNSを日常生活から活用されている方も多いとは思います。SNSの活用といえども、年齢や背景によっては、全く異なるSNSの使い方をしているケースも多くあります。だからこそ、採用担当者は、今の大学がどのようにSNSを普段活用しているかのアンテナを立てておく必要があります。

SNSで繰り広げられる情報戦

今の学生たちは、デジタルネイティブ世代であり、メディア・リテラシーを身に付けている人も多く、SNS上で安易に身元が明らかになる形で発信するケースは殆どありません。
逆に、プロフィール情報に自身に繋がる情報のヒントがちりばめられた別のアカウントを準備して、企業の採用担当者にとって印象が良くなるような情報を発信するケースもあります。採用担当者と学生の間で情報戦が繰り広げられているのです。

あえてポジティブな情報をオープンなSNSで発信はしないが、オープンなSNSでの発信自体を控え、クローズドなLINEのようなSNSでのみ発信を行うケースも増えます。
また、クローズドな環境で、就活生同士が情報交換をしているというケースも多々あるようです。

情報のコントロールが効かない時代へ

インターネット上で見えている情報は氷山のほんの一角でしかありません。
採用イベントの評判が良くても、インフルエンサーとなる就活生がネガティブな情報を就活生で作るネットワークへ投下することで、優秀な学生が遠のいていく可能性を秘めており、その逆の可能性もあります。
ICTに強い学生であれば、Slackのようなビジネスチャットサービスで、企業毎の情報を集約するワークスペースを作成して就活中に知り合った友人たちとともに活用しています。

このようにデジタル社会においては、企業側がリーチできない場所で不確実性=リスクを孕んだ情報がやり取りされ、企業の採用活動に影響を与えるような状況がその年毎に形を変えて生まれています。
そこで、企業の採用活動には、このような企業側で情報のコントロールが効かない時代であることを強く意識した行動が求められています。

リスクを活かす採用活動

ここまで述べてきたように、企業の採用担当が見えないところで、学生たちは様々な情報をやり取りしています。あくまでも一方向からの視点であるため、主観的な内容やそれに基づく憶測など不正確な情報も多く、企業側の意図と齟齬が発生しやすいところでもあります。

この齟齬が発生しやすい状況をポジティブに捉えて採用活動に活かせるかが重要です。
優秀な学生を多く集めている企業は、現場の活き活きとした生の空気感を採用活動に活かしているところが多いように思われます。そういう企業のイベントに参加した学生は、ポジティブな印象を自分の中で膨らませて同じ立場の学生たちに共有してくれます。

つまり、情報をどのように伝えて、ポジティブな印象を持って貰うかが重要になります。
ポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が拡散スピードは速いので、細心の注意を払う必要がありますが、見落としがちなのが学生たちの受入体勢です。イベントにやる気に満ちた社員を動員し、企業が求める人物像に沿った雰囲気作りを行うことで、発信した情報をポジティブに受け取りやすくする必要があります。

現在のデジタル社会では、企業側の想定を超えたプラットフォームが学生たちの間で築かれています。そのようなプラットフォームが持つリスクを脅威ではなく、チャンスと捉えることが今の採用活動では必要です。

ビジネスの面で十分な経験がない学生にとって、企業で働く人々の姿や普段の発言は、意思決定に置いて非常に重要な要因になります。だからこそ、隠すのではなく従業員の姿をオープンにしながら、企業に合う人を探すという姿勢がいちばん大事なのかも知れません。

デジタルリスクラボ編集部


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