炎上事例

意外と知らない。炎上にも繋がるステルスマーケティングとは?

企業に属さず、インスタグラマーやユーチューバーとして、活躍し、SNSを中心に影響力を持つ人が増えてきました。このような背景を受け、企業がSNSで影響力を持つユーザー、所謂「インフルエンサー」に、自社のプロモーションの協力を依頼するケースも増えてきました。今回は、そんなときに注意したいステルスマーケティングについてご紹介します。

ステルスマーケティングとは?

ステルスマーケティング(ステマ)という言葉を聞いたことはあるけれど、曖昧なままで人には説明出来ないという方も多いのではないでしょうか。

ステルスマーケティングの言葉を分解してみると、「ステルス」と「マーケティング」の単語に分かれます。そこで、ステルスの意味を英和辞典で調べてみました。

ステルス(stealth)
名詞:こっそりすること、忍び

語源は、盗むという動詞のstealと同様のようです。
また、ステルス戦闘機という言葉もありますが、レーダーでは捕捉出来ない特殊な戦闘機で、相手に気づかれずに攻撃を行うことを目的とした戦闘機です。

ステルスマーケティングとは、英和辞典や関連語句からも連想できるように、宣伝と気づかれずにこっそりと宣伝行為を行うことです。サクラややらせ、アンダーカバーマーケティング(覆面マーケティング)、ゲリラ・マーケティングといった類似の用語もあります。

よくあるステルスマーケティング手法

ステルスマーケティングの手法は2つに分類することが出来ます。

(1) なりすまし型
一般消費者になりすまして、評判のコントロールを行うことです。具体的には、口コミサイトなどで一般消費者として高い評価や良いコメントを投稿し、サービスの情報操作を行うことを指します。

(2) 利益提供秘匿型
芸能人やインフルエンサーがSNSで商品やサービスをこっそりと紹介することです。報酬をもらい、普段利用していない商品やサービスをあたかもお気に入りのサービスのように紹介する行為を指します。

リスクにもなるステルスマーケティング

本来、口コミやSNSはユーザーの本音を知ることが出来るプラットフォームであり、サービスや商品の購入を検討するユーザーにとっては、非常に有効な情報源となり得ます。Web広告の市場は拡大し続けており、私達の身の回りには、広告が溢れているからこそ、私達は、購買行動の意思決定にユーザーの本音を探す傾向があるとも言えます。

そのような背景から、広告と気づかれないステルスマーケティングは、広告以上に消費者行動により大きな影響を与えることが想定されます。

だからこそ、消費者はあたかも優良顧客のように商品を紹介することを情報操作と認識し嫌悪感を抱く場合があります。この場合は、インフルエンサー側も依頼した企業側もレピュテーションを低下させてしまう可能性があります。実際にそのような炎上をSNSでは、目にすることもあるのではないでしょうか。

なぜなら、本質的には消費者を騙す行為とも言えるからです。

実際にアメリカやEUではステルスマーケティングに関しての規制が導入されています。日本でも、2017年に日本弁護士連合会が「ステルスマーケティングの規制に関する意見書」を消費者庁長官に提出しています。

ステルスマーケティングは、違法な手法ではありませんが、誤った活用や消費者に異なる印象を与えてしまうプロモーション活動につながってしまった場合もあります。このようなケースでは、企業のレピュテーション低下になります。

異なる印象を与えてしまわないように、インフルエンサーマーケティングに取り組む企業が増える中で、ハッシュタグに「PR」、「アンバサダー」と記載したり、「Paid partnership with…」などと記載して、報酬を受け取り、商品紹介していることが分かるような取組がなされています。

困ったときは、WOMマーケティング協議会(WOMJ)が作成しているWOMJガイドライン(消費者間コミュニケーションマーケティングのガイドライン)を参考にしていただくと良いかもしれません。

ただし、業界としての明確なルールがあるわけでもなく、意図せずインフルエンサーマーケティングが、ステルスマーケティングになっているケースも想定されます。「ハッシュタグを付けたから、ステルスマーケティングであると消費者は認識してくれるだろう」と考えていても、消費者にとっては分かりづらい可能性もあります。

消費者に伝わらなければ、どのような対策を行っても、効果はありません。

企業がインフルエンサーに投稿をお願いするケースでも、どのような内容の投稿なのかを事前確認することや、ハッシュタグのルールを明確にするなどの炎上のリスクを少しでも低減することをおすすめします。

 

参考資料:
ステルスマーケティングの規制に関する意見書(日本弁護士連合会)
WOMJガイドライン(WOMマーケティング協会)

【執筆】奥村高大 (おくむら たかひろ)
同志社大学卒業後、銀行に就職。その後、企業の経営課題解決を目的とするフリーランスのシェアリングサービスに従事し、2018年にエルテスに入社。事業推進Grにて、マーケティング業務を中心に、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。

この記事を書いた人

デジタルリスクラボ編集部
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