炎上事例

自然災害時のSNSから読み取れた、世の中の変化

首都圏、東北地域に甚大な被害を出した台風19号。特別警報が12都県に出され、80名を越える死者、河川の決壊は71河川と広範囲に渡る歴史に残る災害でした。(2019年10月22日時点でのNHK NEWS WEBを参照)
今回は、SNSから読み取れた世の中の変化について考察していきます。

SNSは、コミュニケーションの場である

災害時、SNSは安否確認や状況報告として、有効的に活用できるツールの一つです。
また、どこでどのような被害が発生しているのか、どこであれば食料が確保できるのか、避難場所の状況はどうなっているのかなど、様々な情報が収集できるツールでもあります。

今回は過去最大級の台風と大きく報道され、公共交通機関も計画運休することを表明するなど、大きな被害が出ることが想定されており、みなさまも通常よりアンテナを高くして情報を収集していたと思います。

様々な情報が発信されていた中、今回、SNSから読み取れた世の中の変化をご紹介します。

台風当日に見られた炎上

SNS上でどのような投稿に注目が集まっていたのかご存知でしょうか。

#台風だけど出社させた企業 というハッシュタグがトレンドになっていました。交通機関の計画運休が想定される中で、リスクを負って社員やアルバイトに出勤させることに対しての批判が多く見られました。
SNSへの発信がきっかけで、営業予定が休業に変わるなど、ユーザーの声が企業の方針を動かした事例も見られました。

東京都内など大きな被害が想定されていた地域では、店長やエリア責任者判断で閉店等をしていた企業はあるとは思いますが、その中の1店舗でも営業を実施し、その内容がSNSで発信されたケースでは、企業全体が批難を浴びる場合があります。

災害時にも関わらず出社させられたという内容の投稿は、これまでも散見されておりましたが、トレンド入りすることはあまりありませんでした。

前述したように過去最大級の台風とみられていたことだけでなく、社会トレンドとして働き方改革などが推進され、経営一辺倒な考えはネガティブなイメージを持たれる世の中に変化していっていることが、大きく影響していたと分析しています。

今回、SNSを通して、企業にとって従業員や顧客を守る行動が評価される傾向が強くなってきたということが改めて確認されました。

SNSは、企業活動に必要な情報を集めるツールである

改めてお伝えしますが、SNSは情報収集として有効なツールです。
ユーザーの投稿を通して自社がどのように見られているのかだけでなく、世の中がどう変化していっているのかも知ることができます。

災害時には、被害状況の把握と企業が対処すべきインシデントが発生していないかを知ることができるツールの一つになり得ます。

自身がいる場所と全く異なる場所で災害が発生した場合、影響の全容を把握することは容易ではありません。どこで被害が発生しているのかという情報を収集する際や、自社の支店、工場の周りで土砂災害や水没していることを確認することも可能です。
実際にWebリスクモニタリングサービスを提供しているクライアントの所有地付近で土砂災害が発生していることを検知し、通知した事例もあります。

特に災害時は現場が混乱し、本社への報告が遅れてしまう可能性もあることを想定すると、外部からの情報収集も必要である場合があります。早期に検知することで迅速に対応し、被害を最低限に抑えられる可能性があります。

企業が気を付けるべき災害時のSNS活用

災害時には、店舗は営業するのか、イベントは開催するのかなど、企業が対応方針を適切に発信することは、ユーザーにとっても非常に価値のある情報になります。

一方で、日本全体が自粛ムードの中でプロモーションに近い情報を発信することは、被災者の心情を無下にしていると批判が起きるケースがあります。
東日本大震災後は多くの企業がCMを自粛し、公共広告機構(AC)のCMが流れていたことを思い出されることも多いかと思います。テレビCMだけでなく、SNSも同様です。

大々的なプロモーションを控え、被災者への有益な情報等を配信する企業も多く、どのような内容をSNSで発信するのかは慎重に考えるべきことです。災害の影響度や企業の方針、プロモーション内容など、対応方法は様々ですが、原理原則としては、被災された方々の立場に立って考えるものだと考えています。

また、災害後のプロモーションの再開には、第三者の目線で少し引いた位置から内容の確認を行うことをオススメしています。

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デジタルリスクラボ編集部
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